2013 Fiscal Year Research-status Report
他波長光活性置換基の導入によるフォトクロミズムの機能制御とその変化過程の動的観察
Project/Area Number |
24550014
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関根 あき子 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (40226650)
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Keywords | フォロクロミズム / 結晶相光反応 / 光異性化反応 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
フォトクロミック化合物であるアゾベンゼン誘導体の固相光反応性をコントロールするために、可視光照射により結晶相光異性化反応するコバルト錯体にアゾベンゼン誘導体を配位させた新規錯体を合成し、コバルト錯体の結晶相異性化反応に伴う結晶環境変化を利用してアゾベンゼン誘導体の固相光反応性を変化させることを目的として実験を行った。 この新規コバルト錯体結晶について、可視光照射により3-シアノプロピル基を1-シアノプロピル基へと単結晶状態を保持したまま異性化させることに成功し、一方紫外光照射するとでアゾベンゼン誘導体部分のみを異性化させることに成功した。つまり、波長選択的な2種の光異性化反応を起こす錯体結晶の作製に成功した。 次に、この錯体結晶を用いて、3-シアノプロピル基の光異性化前後でのアゾベンゼン誘導体部位の光反応性を比較した結果、3-1光異性化により、アゾベンゼン誘導体のトランスーシス異性化速度を促進することに成功した。この反応速度促進の理由を解明するために、反応前後でX線結晶構造解析を行ったところ、結晶中のアゾベンゼン部位の周りの反応空間が増大することにより反応速度が速くなったことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
他波長光活性置換基を導入した新規錯体を作製し、フォトクロミック化合物の光反応性を調べたところ、結晶相反応による環境変化により反応速度の増大に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度と25年度では、他波長光活性置換基を導入した新規錯体を作製し、フォトクロミック反応性を調べた結果、着色体の寿命を制御することに成功した。よって、最終年度の平成26年度では、得られたこの新しい現象について、その理由を3次元構造から直接解明する予定である。
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