2013 Fiscal Year Research-status Report
ナノ粒子の細胞内取り込み挙動解析を可能とする単一ナノ粒子計測システムの開発
Project/Area Number |
24550112
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
稲垣 和三 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (50356490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高津 章子 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究科長 (10357361)
藤井 紳一郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (10415739)
宮下 振一 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (60614766)
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Keywords | ナノ粒子 / 細胞 / 質量分析 |
Research Abstract |
本研究では、我が国の産業及び医療分野における機能性ナノ粒子の開発競争力強化に資することを目的として、金属含有ナノ粒子の細胞内取り込み及び溶解性評価を可能とする単一ナノ粒子計測システムを新規開発している。研究2年目である平成25年度は、前年度に開発したシステムのさらなる改良とその性能評価を行うべく、①検出システム時間分解能の改善(Δt: <10 us)とデータ解析手法の確立、②単位時間あたりの粒子導入数限界の評価を実施した。 ①検出システム時間分解能の改善とデータ解析手法の確立 前年度までに時間分解50 usで計測できるシステムを構築したが、単一細胞ないしナノ粒子がプラズマ内で分解したときに生じるイオン滞在時間は、粒子サイズによって200 us程度になることから、さらなる高時間分解能が必要であった。本年度は、検出器からの読み込みシステムを変更し、読み込み速度を向上させることで時間分解能<10 usでの計測を可能にした。一方、時間分解能を上げるとデータ解析が複雑になることから、システム改良と併せて正確な粒子カウンティングができるようにデータ解析法を検討した。 ②単位時間あたりの粒子導入数限界の評価 開発している計測システムの計測スループットを向上させ、かつ細胞及びナノ粒子の粒子個数濃度、粒径分布計測を正確に行うためには、同一計測時間に複数の粒子が検出されない条件を満たす粒子導入数限界を評価する必要がある。本年度は,酵母細胞をモデルにして粒子導入数限界を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検出システム時間分解能の改善とデータ解析手法の確立、単位時間あたりの粒子導入数限界の評価葉予定どおり進行している。銀ナノ粒子暴露細胞を用いた試験の進行がやや遅れているがシステム開発が終了しているので、最終年度で充分実施できると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに計測システムを開発し、データ解析手法を確立したので、本年度は、銀ナノ粒子暴露細胞を用いたモデル試験を実施する。銀ナノ粒子を暴露した微生物細胞を培養し、細胞内取り込み量、細胞内溶解評価を実施する。細胞内溶解評価は、当初マニピュレーションによって細胞内液を分朱する予定であったが、当初予定していた細胞内液マニピュレーションシステムを用いるとシステム経路全体が複雑になり、ハンドリングできなくなるため、システム評価に適さないと判断し、細胞壁を破砕して細胞内液を取り出す手法に方針変更することとした。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた細胞内液マニピュレーションシステムを用いるとシステム経路全体が複雑になり、システム評価に適さないと判断したため、検討を中断し、細胞壁を破砕して細胞内液を取り出す手法に方針変更することとした。 細胞内液マニピュレーションシステムの検討に代えて、細胞壁を破砕して細胞内液を取り出す手法のための物品費として使用する。
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Research Products
(7 results)