2013 Fiscal Year Research-status Report
脱水素シリル化反応による有用有機ケイ素化合物の効率的な実用的合成法の開発
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24550123
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
土本 晃久 明治大学, 理工学部, 准教授 (80313716)
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Keywords | 触媒設計・反応 / ルイス酸 / 脱水素シリル化 / インドール / アルキン / アルケン |
Research Abstract |
平成25年度は,N-置換インドール類を基質に用いる脱水素 C-シリル化反応に加えて,アルケンのアリル位においての脱水素シリル化反応に対して取り組むことが当初の研究計画であった。N-置換インドール類の脱水素 C-シリル化反応に関しては,平成24年度からの継続課題であったが,基質の適用範囲については,満足のゆくレベルで拡大することに成功し,反応機構に関する有益な実験結果も得ることができた。論文発表をするには,さらにいくつかの実験を実施する必要があるが,概ね論文の取りまとめ作業ができる状態にある。最終年度である平成26年度中には論文の投稿を予定している。我々が見つけた触媒システムは,インドール類を脱水素 N- および C-シリル化できるが,同一の触媒によって両脱水素シリル化を可能にするのは,実は,これまでに一例知られている(一例しか知られていない,とも言えるが)。しかし,そこでは,高価なルテニウム錯体が触媒として必要となるほか,触媒の調製に多段階が必要であった。これに対して我々のシステムは,安価で且つ市販品として入手できる亜鉛塩を触媒として利用できる点で,極めて使い勝手がよい反応といえる。 一方,アルケンのアリル位脱水素シリル化反応に関しては,種々条件検討をおこない,現在,インデン誘導体のアリル位を脱水素シリル化できる条件を見つけている。現在は,基質の適用範囲についての拡大を図っており,本年度の平成26年度中には学会発表ができるように研究を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度における当初の研究達成目標は,N-置換インドール類を基質に用いる脱水素 C-シリル化反応とアルケンのアリル位脱水素シリル化反応に関して,反応条件と基質の適用範囲の検討をおこなうことであった。これに関しては,【研究実績の概要】のところでも記載したように,アルケンのアリル位脱水素シリル化に関する基質の適用範囲について十分な展開ができていない以外は,概ね予定通りに研究が進行した。以上により,平成25年度は「おおむね順調に進展している」を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,当初の計画通り研究を展開する予定である。具体的には,インドール類の脱水素 N- および C-シリル化反応については,フルペーパーとして研究成果の取りまとめをおこなう。また,アルケンのアリル位脱水素シリル化については,さらに基質の適用範囲の拡大をはかり,まずは学会発表ができるように研究を進展させることである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究が比較的順調に進展したことから,無駄な実験の実施を効率よく制限することができたため。 当初の計画に沿っての使用を考えているが,平成25年度は研究費を節約して利用できたため,平成26年度では,研究の進展に特に注力すべき,アルケンのアリル位脱水素シリル化に対して積極的な研究費の注入を考えている。
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