2014 Fiscal Year Annual Research Report
脱水素シリル化反応による有用有機ケイ素化合物の効率的な実用的合成法の開発
Project/Area Number |
24550123
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
土本 晃久 明治大学, 理工学部, 准教授 (80313716)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 触媒設計・反応 / ルイス酸 / 脱水素シリル化 / インドール / アルキン / アルケン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、本最終年度は、N-置換インドール類を基質に用いる脱水素 C3-シリル化反応とアルケン基質のアリル位脱水素シリル化反応に関する研究に取り組んだ。N-置換インドール類の脱水素 C3-シリル化反応に関しては、主に反応機構を解明するための実験を行った。具体的には、例えば、通常のヒドロシラン(HSiMe2Ph)とヒドロシランの水素原子を重水素原子に置き換えた重水素ヒドロシラン(DSiMePh2)を等量比で混合し、亜鉛トリフラートを触媒に用いてニトリル溶媒中室温で撹拌したところ、各ケイ素化合物の水素原子と重水素原子の間で交換反応が進行することを確認することができた。これにより、亜鉛トリフラートが、ヒドロシランを活性化することで、インドール基質の脱水素シリル化反応を触媒することを、実験化学的に証明することができた。 一方、アルケン基質のアリル位脱水素シリル化反応に関しては、引き続き、基質の適用範囲について検討するとともに、生成物のアリルシランを各種炭素-炭素結合形成反応の合成中間体として利用するための実験もおこなった。検討内容については、まだまだ十分ではないが,研究成果については,一旦取りまとめをおこない,3月の日本化学会において発表することができた。 研究機関全体を通じての研究成果については、日本化学会を含む各種学会で発表をしたほか、アルキンの脱水素シリル化反応と N-未置換インドール類の脱水素 N-シリル化反応についての論文発表をおこなった。また、N-置換インドール類の脱水素 C3-シリル化反応については、N-未置換インドール類の脱水素 N-シリル化反応の結果と合わせて、現在、フルペーパーを作成しているとことである。 以上のように、3年間の研究機関を通して、ルイス酸触媒による、世界で初めての、アルキン、インドールの脱水素シリル化反応を実現することができた。
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