2013 Fiscal Year Research-status Report
環境調和型粉体反応によるハロゲンフリーエポキシ化反応の反応機構
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24550175
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
市原 潤子 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (60110772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 俊郎 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (40167698)
坂本 清子 大阪産業大学, 教養部, 教授 (50268249)
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Keywords | ハロゲンフリー / エポキシ化 / 過酸化水素 / ポリ酸触媒 / アパタイト / 環境調和型反応 / 粉体系反応 |
Research Abstract |
ポリ酸触媒とアパタイト粉体からなるノンハライト粉体に、原料と過酸化水素水をしみこませ、粉体状態のまま静置して、ハロゲンフリーのエポキシ化合物を効率よく合成する環境調和型の粉体系反応(ノンハライト法)を見出した。このノンハライト法は粉体の表面という特殊な反応場を用いた独創的な技術であり、環境に大きな負荷を与えない環境調和型反応で、省資源・省エネルギー型の技術である。現在、工業化に向けて検討を進めている。このノンハライト法の反応性は、アパタイト粉体の性質・状態によって異なる。本研究では、アパタイトがどのように作用しているのか、また粉体の表面でどのように反応が起こっているのかを理解する。 初年度に市販アパタイト数種を用いて得られた結果から、粉体系エポキシ化反応の促進に適しているのは、水酸アパタイトよりも炭酸系アパタイトであること、またアパタイト粉体の粒径や粒度分布など形状よりも、アパタイト粉体の結晶性による影響がエポキシ化反応の反応性に大きく作用することが分かった。 当該年度では、①DCPD およびDCPAとCaCO3の反応による炭酸アパタイトの合成や、②有機溶媒中でのα-TCPの加水分解によるアパタイトの合成、および③α-TCPおよびβ-TCPによるフッ素化アパタイトの合成を行い、ICP元素分析、XRD, IR, 固体NMRを測定して、アパタイトの組成や構造について比較検討した。②の炭酸系アパタイトおよび③結晶性の高いフッ素化アパタイトを用いた場合に粉体系エポキシ化反応の反応速度が速いことが分かった。フッ素化アパタイトを用いて粉体反応の熱力学的データを求めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度研究実施計画は8割程度達成できた。 過酸化水素分解反応については、自動滴定装置の不具合、測定方法の改良などに時間を要したので、測定データの蓄積がやや遅れている。今年度、引き続き測定を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度には市販アパタイトを用いて得られた物理化学的データと反応速度とから、アパタイトの表面の性質や状態のうち、エポキシ化反応に影響を及ぼすパラメーターを抽出した。 当該年度その抽出したパラメーターを変化させたアパタイト合成して、物理化学的データを求め、エポキシ化反応に及ぼす効果を調べた。次年度は、引き続きデータを測定するとともに、これら蓄積したデータを総合的に解析して、反応性に大きく影響を及ぼすアパタイト表面の要因を追及する。特に、濡れ性実験と反応基質の極性、反応性および反応熱を比較検討し、液膜形成・流動性にアパタイトが及ぼす効果について考察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度の研究経費の使用計画は、ほぼ申請書に記載した通りである。未使用の旅費分は次年度の物品費の補充に当てたい。 次年度の研究経費の使用計画は、ほぼ申請書に記載した当初の通りである。実験補助の費用のほか、外部分析費と、器具、試薬などの消耗品購入費に当てる
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Research Products
(9 results)