2012 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム完全化学合成を指向した長鎖DNAの革新的化学合成法の開発
Project/Area Number |
24550184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大窪 章寛 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (60376960)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 核酸合成 / DNA / ゲノムDNA / 固相合成 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は、細菌(マイコプラズマやシアノバクテリア)の数百万塩基対以上のゲノムDNAをハイスループットで効率よく「完全化学合成」する手法の確立である。我が国は核酸合成技術の開発で常に米国に遅れをとってきたが、有機化学的視点にたったDNA合成の本質的な見直しをおこなうことで世界最高峰のゲノムDNA合成技術を創成する。そのために、我々がこれまで世界に先駆けて開発してきた「核酸塩基部位に保護基を使用しない革新的なDNA合成法(塩基部無保護法)」を駆使し、従来のゲノムDNA合成が抱えていた問題点の克服を目指す。本研究課題では、「鎖伸長効率の向上」と「精製作業の簡略化」を目指して、合成担体の改良および新規キャップ化反応(鎖伸長しなかった水酸基をふさぐ反応)の開発をおこない、今まで合成が困難とされてきた300~500量体程度のDNAオリゴマーをパラレルに化学合成できるシステムを構築する。 H24年度は、「長鎖DNA合成技術の確立」のために、「a. 鎖伸長効率の向上」と「b. 精製作業の簡略化」をおこなった。「a. 鎖伸長効率の向上」では、固相担体にHOBt誘導体を担持させることにより反応の水酸基選択性を向上させ、塩基部無保護DNA合成法に適応させて核酸二量体の合成に成功した。また、「b. 精製作業の簡略化」では、亜リン酸ジフェニルによるキャップ化反応を用いて、DNAオゴマーの合成および簡易精製が可能であることを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、予定していた通りHOBt誘導体を導入した活性化剤内包型固相担体(ポーラスガラス担体)を調製し、これを用いた鎖伸長反応に成功している。また、亜リン酸ジフェニルを用いたキャップ化反応の有用性も示すことが出来ており、次年度につながる重要な成果をあげられている。以上のことは、申請書に記載した内容通りであり、本研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度に調製したHOBt誘導体を導入した活性化剤内包型固相担体および、亜リン酸ジフェニルを用いたキャップ化反応を利用し、100量体を越えるDNAオリゴマーの合成を引き続き行っていく。また、フィルター型に加工した固相担体を作成し、複数のオリゴヌクレオチドを同時に合成できるフローシステムの合成を行っていく。さらに数百量体のDNAオリゴマーを酵素反応により連結し、より長いDNAの合成も併せて行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画よりも、試薬合成が効率よくおこなえたため、494,438円の繰越金が発生した。次年度は、この繰越金とH25年度予算を利用して、100量体を越えるDNAオリゴマーをパラレル合成するために必要な消耗品や少額備品の購入を行っていく予定である。また、学会等で本研究課題で得られた成果を積極的に報告していく。
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Research Products
(9 results)