2013 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム完全化学合成を指向した長鎖DNAの革新的化学合成法の開発
Project/Area Number |
24550184
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大窪 章寛 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (60376960)
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Keywords | 核酸合成 / DNA / ゲノムDNA / 固相合成 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は、細菌(マイコプラズマやシアノバクテリア)の数百万塩基対以上のゲノムDNAをハイスループットで効率よく「完全化学合成」する手法の確立である。我が国は核酸合成技術の開発で常に米国に遅れをとってきたが、有機化学的視点にたったDNA合成の本質的な見直しをおこなうことで世界最高峰のゲノムDNA合成技術を創成する。そのために、我々がこれまで世界に先駆けて開発してきた「核酸塩基部位に保護基を使用しない革新的なDNA合成法(塩基部無保護法)」を駆使し、従来のゲノムDNA合成が抱えていた問題点の克服を目指す。本研究課題では、「鎖伸長効率の向上」と「精製作業の簡略化」を目指して、合成担体の改良および新規キャップ化反応(鎖伸長しなかった水酸基をふさぐ反応)の開発をおこない、今まで合成が困難とされてきた300~500量体程度のDNAオリゴマーをパラレルに化学合成できるシステムを構築する。 H25年度は、前年度におこなった「a. 鎖伸長効率の向上」と「b. 作業簡略化」で得られた結果をもとに、「c.長鎖DNA合成フローシステムの構築」の基礎検討をおこなった。具体的には、これまでに検討をおこなっている活性化剤内包型固相担体を用いた縮合反応と、亜リン酸ジフェニルを用いたキャップ化反応を利用し、30量体程度のDNAオリゴマーの合成をおこない本手法の有用性を確認した。また、DNA合成フローシステムのためのフィルター型ポーラスガラス担体を合成し、この担体上での反応性を詳細に調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初予定していたフィルター型ポーラスガラス上での反応性検討や、活性化剤内包型固相担体を用いた縮合反応と亜リン酸ジフェニルを用いたキャップ化反応を利用したDNAオリゴマーの合成検討に成功していており、次年度につながる重要な成果が挙げられている。以上のことは、申請書に記載した内容通りであり、本研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果をふまえ、合成するDNA鎖長を数百量体までのばし、他種類の配列を同時に合成出来る合成フローシステム構築を行っていく予定である。また、合成したDNAオリゴマーの酵素による連結も併せて行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究が順調に進展し試薬合成が効率良く行えたため、当初の計画より546,486円の繰越金が発生した。 次年度は、この繰越金とH26年度予算を利用して、長鎖DNA合成フローシステムの構築のために必要な消耗品や少額備品の購入を行っていく予定である。また、学会や学術誌等で本研究課題で得られた成果を積極的に報告していく。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Chemical synthesis of U1 snRNA derivatives2013
Author(s)
Haruki Kobayashi, Akihiro Ohkubo, Makoto Suzuki, Takashi Kanamori, Yoshiaki Masaki, Kohji Seio, Mitsuo Sekine, Hideya Yuasa
Organizer
The 40th international symposium on nucleic acids chemistry
Place of Presentation
Kanagawa University (Yokohama)
Year and Date
20131113-20131115
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