2014 Fiscal Year Annual Research Report
フイブリノゲン非構造領域とN結合糖鎖によるフイブリンゲル形成の制御機構の解明
Project/Area Number |
24550245
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
窪田 健二 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (40153332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
行木 信一 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (80302959)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フィブリノゲン / Bβ鎖N末端領域 / N結合糖鎖 / Fragment-D / フィブリン重合 / 表面プラズモン共鳴 / ラテラル凝集 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究計画期間の最終年度であり、昨年度に大きな進展のあったフィブリノゲン(Fbg)断片試料間の相互作用解析の成果を更に発展させるべく、Fbg Bβ鎖N末端領域(Bβ1-66、BβNと略記)、ならびにN結合糖鎖に着目して研究を進めた。 BβN及びN結合糖鎖の役割の解明を目指し、遺伝β子工学的手法を用いてBβN、変異型BβNを調製した。変異の導入については、Bβ42周辺に塩基性アミノ酸が局在していることからR42A、R44Aを考え、コントロールとしてBβ1-30、ならびにK53,54Aを作製することとした。相互作用解析のリガンドとしてはβFbg、Fragment-X、ならびにFragment-Dを用いた。表面プラズモン共鳴測定から解離平衡定数を決定した。その結果、BβN、R42A、K53,54Aの3者ともに上記リガンドと高い強度の相互作用を示すことが確認されたが、Bβ1-30とR44Aではいずれのリガンドとも相互作用が見られなかった。従ってBβNの相互作用にはBβ44R周辺部位の立体構造が重要な役割を果たしていることがわかった。Bβ1-30ではBβ44R周辺領域を欠損しているため、相互作用が現れなかったものと考えられる。Bβ44R周辺部位の2次構造予測から、この付近は構造を持たないことを考えると、Bβ44R周辺部位の可動性の高い非構造領域、その中でもR44が、FbgのD領域との相互作用に必須な役割を果たしていることが示唆された。 一方、N結合糖鎖については、Fbg中央部に対応するFragment-NDSKとは相互作用しないが、Fragment-Dとは相互作用することがわかった。これらのことから、N結合糖鎖はBβNのD領域との相互作用を阻害的に影響することによりプロトフィブリルのラテラル凝集の抑制因子として作用することが示唆された。
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