2012 Fiscal Year Research-status Report
局所疲労強度特性評価に基づく接合部の破壊シミュレーション
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24560110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
小川 武史 青山学院大学, 理工学部, 教授 (50167318)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 構造・機能材料 / 材料強度 / 信頼性評価 / 接合技術 / インデンテーション法 |
Research Abstract |
近年,機械構造物に高度の強度安全性が求められるようになった.多くの場合,接合部が最大の弱点となっている.接合技術の種類によらず接合部周辺では,異なる力学的性質の材料が組み合わされることになり,高度な健全性評価を行うためには局所的な力学特性評価に基づく破壊のシミュレーションが必要である.研究代表者は,局所力学特性評価の試験技術としてインデンテーション法に着目し,弾塑性特性,クリープ特性および粘弾性特性の評価法を開発してきた.本研究では,この局所力学特性評価を実構造物および製品の健全性評価に適用し,接合部の破壊シミュレーション技術の確立を目指すものである. 本年度の研究では,リベット接合部周辺に対して,2種類の圧子を用いたインデンテーション試験(2圧子法)を適用して弾塑性応力ひずみ曲線の予測を行い,弾塑性力学特性の分布を取得した.新たに開発された2圧子法では,軸受鋼などの超高強度鋼の力学特性を正確に予測できることがわかっている.得られた力学特性の結果をもとにして,リベット本体および接合された薄板鋼板の予ひずみ量の推定を行い,接合部の疲労強度特性に及ぼす薄板鋼板強度の影響を検討した.この研究では,リベット本体の詳細な有限要素法(FEM)解析を行うとともに,予ひずみを付与したリベット本体および薄板鋼板の疲労試験を行い,局所力学特性が接合部の疲労強度に及ぼす影響を詳細に検討した. 以上の接合部の研究に加えて、高強度鋼の局所力学特性を圧痕画像から取得できるようにすること,2圧子法から3圧子法に拡張してインデンテーション法を高精度かつ高度化させることを検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の段階では,評価対象の力学特性として,クリープ特性および粘弾性特性も挙げていたが,最近の社会情勢を反映して,自動車用の軸受表面改質,薄板鋼板の接合技術およびその疲労強度が極めて重要な研究課題となった.そこで本研究では,弾塑性特性に焦点を当てた局所力学特性評価と実構造物および製品の健全性評価の研究を進めることとした.弾塑性特性に関する研究目的の達成度は,順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の段階では,評価対象の力学特性として,クリープ特性および粘弾性特性も挙げていたが,最近の社会情勢を反映して,自動車用の軸受表面改質,薄板鋼板の接合技術およびその疲労強度が極めて重要な研究課題となった.そこで本研究では,弾塑性特性に焦点を当てた局所力学特性評価と実構造物および製品の健全性評価の研究を進めることとした.これは研究計画の変更ではなく,研究目的がより明確化されたものである.弾塑性特性の問題は,自動車分野だけでなく,高圧ガス分野などでも重要な問題となりつつあり,今後はこれらの分野への研究展開も考えられる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試験片などの消耗品および旅費としての使用を予定している.
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