2012 Fiscal Year Research-status Report
磁気熱量効果を有する機能性エネルギー変換メディアの熱輸送特性評価
Project/Area Number |
24560232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
川南 剛 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20281793)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 熱工学 |
Research Abstract |
本申請課題で新たに提案する「機能性エネルギー変換メディア」とは,外部磁場操作により吸発熱を発現する磁気熱量効果材料微粒子を,分散液体に懸濁させた機能性流体の一種であり,磁気熱量性流体(Magnetocaloric fluid; MCF)と呼ぶ.本研究の目的は,MCFを利用した局所選択的な非接触加熱・冷却デバイスおよびエネルギー変換デバイスの開発とその基礎特性評価である,本研究期間内では,主にMCFの作成手法,熱・流動物性の測定,ならびにデバイスの特性評価および効率向上について詳細な検討を行う.平成24年度の研究実績を以下にまとめる. (1)磁気熱量効果材料の微粒化手法およびMCFの作成手法の確立 分散相である磁気熱量効果材料には,大きな磁気熱量効果を示し,また熱物性値がよく知られているガドリニウムを選定した.一方,分散媒となるベース液には,水,カルボキシメチルセルロース,およびシリコーンオイルを選定した.これらベース液と磁気熱量効果材料の混合割合をパラメーターとし,同じ磁場変化でより温度変化が大きく,かつ磁気熱量効果材料とベース液が分離することなく12時間程度の十分な分散性を維持する作成条件を検討した.その結果,長時間の分散安定性の観点からベース液にはカルボキシメチルセルロースが適していることがわかった. (2)作成したMCFの基礎的な熱・流動物性情報の獲得 作成したMCFの粘度を,振動式粘度計を用いて測定を行った.また,分散相となる磁気熱量効果材料粉末の平均粒子径の測定をレーザー回折式粒度分布測定装置により行った.さらに,電子顕微鏡による磁気熱量効果材料粒子の観察により粒径分布の同定を行い,MFC内に分散する粒子は平均100ミクロン程度であることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は当初の計画どおりおおむね順調に進んでいる.ただし,磁気熱量効果材料の調達および調整(いずれも供給先にて実施)に時間がかかり,一部の試験では当初の実験条件の振り幅を小さくせざるを得なかった.この点は次年度において製造方法を工夫することにより解決する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
研究はおおむね順調に進んでいるが,予想以上に分散安定性が低い傾向が見られた.分散媒となるベース液に金属素材である磁気熱量効果材料を均一に分散させ,安定的な金属スラリーを作成するためには,磁気熱量効果材料の微粒化または微粉化が必要となる.現状,金属材料の微粒化にはアトマイズ法が用いられるが,その粒子径は分散安定性に必要な10ミクロン程度に微粒化されていないことが粒径分布測定からわかった.今後は,購入した磁気熱量効果材料粉末を湿式の遊星ボールミルを用いた粉砕技術を応用し,アトマイズ法よりさらにオーダーの小さな,平均粒子径10ミクロン以下(シングルミクロン)の微細金属粉末を作成することによりMCFの分散安定性の向上を目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額である6,681円は,主に試薬を購入する予定である.
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