2012 Fiscal Year Research-status Report
R32を基本成分とする低GWP混合冷媒の新たな熱力学モデル
Project/Area Number |
24560243
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
赤坂 亮 九州産業大学, 工学部, 准教授 (60369121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粥川 洋平 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (50371034)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 混合冷媒 / 低GWP / R32 / R1234yf / R1234ze(E) |
Research Abstract |
研究の初年度に当たる平成24年度においては,R32を第一成分とする混合冷媒の実測値データ調査および収集を行い,データの存在範囲や個々のデータ点の不確かさ等を整理した.一方で,平成25年に実施予定であったR32と低GWP冷媒との混合冷媒の気液平衡測定を前倒しで実施し,成果を関連学会にて発表した. まず,R32とR290およびR600aとの混合冷媒の実測値を調査し,気液平衡,PVTおよび臨界点の実測値データを収集するとともに,これらを用いて既存の熱力学モデルとの比較を行い,既存モデルの問題点を明らかにした.特に,R32とR600aとの混合冷媒については,共沸現象が確認され,共沸点近傍における既存モデルの再現性に問題があることがわかった. また,R32とR1234ze(E)およびR1234yfとの混合冷媒の実測値調査を行った.これらの混合物は最近注目を集めているが,R1234系冷媒は製品化されてまだ日が浅いため,実測値情報は限定されている.したがって,R32とR1234yf混合冷媒について気液平衡測定およびガスPVTの測定を行った.また,R32とR1234yf混合冷媒についても気液平衡の測定を行った.前者の成果は2012年度日本熱物性シンポジウム(大阪)で発表した.これらの冷媒に対する熱力学モデルは開発されていないため,現在,新たなモデルの開発を行っており,平成25年度中に学術雑誌に公表予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に実施予定であった実測値情報の収集およびR32とR290およびR600aの熱力学モデル開発は概ね終了している.また,平成25年度から開始予定であったその他の混合冷媒の気液平衡測定を前倒しで実施し,平成25年度上半期中に測定を終える予定である.以上の点から,現在までの進捗は当初の計画以上に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度上半期に測定を終える予定であるR32とR1234ze(E)およびR1234yf混合冷媒については,平成25年度中にモデル開発を終了し,成果を関連学会および国際誌に投稿予定である.また,測定結果についても同様に国際誌に投稿予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度予算の繰越金は同年中に購入したワークステーションの演算装置および記憶装置の増強費用に充当する予定であったが,平成25年度には同価格でより高性能な演算装置および記憶装置が入手可能となる情報が得られたため,これらの予算を繰り越した.繰り越した予算はこれらの装置の導入に使用するほか,計算をより高速に行うことができる数値計算ライブラリの購入にも使用する.また,平成25年度の研究費は,6月にデルフト(オランダ)で開催される冷媒物性国際会議2013への参加費や,9月に東京で開催予定の日本冷凍空調学会年次大会の参加費を旅費から支出する.また,消耗品費は主に文献複写,取り寄せや論文投稿に要する費用に使用する.
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Research Products
(2 results)