2013 Fiscal Year Research-status Report
R32を基本成分とする低GWP混合冷媒の新たな熱力学モデル
Project/Area Number |
24560243
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
赤坂 亮 九州産業大学, 工学部, 教授 (60369121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粥川 洋平 独立行政法人産業技術総合研究所, 標準計測研究部門, 研究員 (50371034)
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Keywords | 混合冷媒 / 状態方程式 / 低GWP / R32 / R1234yf / R1234ze(E) |
Research Abstract |
研究の二年目にあたる平成25年度においては,昨年度実測値の収集,測定および評価を行った混合冷媒の中で特に注目されているR32/1234yf系およびR32/1234ze(E)系について,高精度な熱力学モデルの開発を行った.これらの混合冷媒は次世代の低GWP冷媒として他大学や空調機メーカーが実用化研究をスタートさせている. まずはR32,R1234yfおよびR1234ze(E)の純物質に対する状態方程式の評価を行った.その結果,これらの物質に対しては十分な再現性を有する状態方程式がすでに開発されていることがわかった.R32の状態方程式については補外域での挙動に問題があったが,混合モデルの開発には影響しない温度・圧力の範囲であり,今回はこの状態方程式を用いて混合冷媒に対するモデルの開発を行った.今回開発したモデルはヘルムホルツ自由エネルギーの混合則に基づいており,Kunzらが開発した天然ガスのモデルを混合冷媒向けに最適化したものである.モデルのパラメータは臨界定数,気液平衡およびpvTx性質の実測値を用いて決定した.その結果,沸点圧力および露点圧力などの気液平衡は±0.5%程度で,pvTx性質は±0.2%程度でそれぞれ再現可能であることを確認した.また,臨界温度も±1K以内で実測値と一致している.この混合モデルの概要を日本冷凍空調学会および熱工学カンファレンスにて発表した.また,成果を詳細にまとめた論文をFluid Phase Equilibria誌に投稿し,受理・刊行された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初H26年度に予定していた論文発表を1年前倒しで行うことができたため.H26年度は別の混合冷媒に対するモデルの提案を予定している.
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度はR32純物質の状態方程式の見直しに着手する.また,研究分担者が新たに測定した混合冷媒の熱力学モデル開発も合わせて行う.成果は9月に開催される日本冷凍空調学会年次大会等で発表する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
4回予定していた研究分担者との打ち合わせのうち1回を熱工学コンファレンスの開催期間中に行ったため,1回分の旅費の余剰が生じた. H26年度直接経費は研究分担者との打ち合わせ旅費や9月にデンマークで予定されているEquation of State Workshopへの参加旅費として使用する.その他,計算機関連の消耗品,文献購入・複写にも使用する予定である.また,H25年度旅費の余剰分は国内学会(空気調和・冷凍連合講演会等)の参加旅費に充当する.
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Research Products
(4 results)