2013 Fiscal Year Research-status Report
人の知覚運動特性を考慮した知能機械操縦系の操作支援技術
Project/Area Number |
24560308
|
Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
松尾 芳樹 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (90173806)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦上 大輔 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 助教 (40458196)
関口 暁宣 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 講師 (80344612)
|
Keywords | 操作支援 / 知能機械 / EEG / EMG / 力操作器 / 手動制御系 / 力学的作業支援 / 人-機械協調作業 |
Research Abstract |
生活・作業支援用ロボットなど人が随意に行なう力学的作業を支援する機器の実用化が期待されている.これらの普及には非専門家が意のままに運用できる操作支援技術の確立が鍵である.そこで本研究では,脳波などの生理計測技術を利用した表示・操作系の評価や操作習熟度やユーザー心理状態の判定を行い,これを活かすことによって直感的で操作性の高い情報提示法や操作入力系の実現を目標とする.H25年度は2年目として以下を中心に検討した. ・操作支援検討のための脳計測システムの改良:操作支援に利用できる脳計測技術の確立を目的として,日常的な環境下で電磁ノイズや被験者の動作によるアーティファクトを抑えて安定に実験を行なうための計測器具を開発した.具体的には,脳波計を覆う頭部装着型の電磁シールドを作成し,伝送路へのノイズ混入抑制を達成した.現実の操作支援システムへの利用も可能な器具のプロトタイプが開発できた. ・力入力操作器における直感的な操作のための脳計測情報の分析と応用:初年度に作成したシミュレータに,操作結果を実時間で示すアニメーションを加えることで,操作結果を被験者に提示できるようにした.これを使用して脳計測実験を行ない,操作対象特性を変えることによって操作しやすさによる脳計測情報の違いを分析した.担当学生の脳波計測への習熟に時間がかかり,実験条件を探る予備実験段階にとどまった. ・移動体の操縦支援のための操作運動時の脳計測情報の分析と応用:ロボットと人による物体の協調搬送作業や移動ロボットの遠隔 操縦における協調的支援を目的として,操作支援のための知見を求めて,人がハンドルを操作する際の脳波を計測し分析した.今年度は,予備実験として単独の被験者が操縦中にどのような情報が抽出できるか操作入力と脳計測情報の関係を調べた.前項と同様に,今後,実験条件やタスク設定の絞り込みなどの必要性が明らかになった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生理生体計測のノウハウが十分でないため,当初予定していたよりも実験に従事する学生の訓練に時間がかかり,また,実験習熟度の影響で,得られる実験データの質にもやや問題がある.H24,25年度にわたって,当該研究室の大学院生が少なく,卒業研究レベルの単年度の従事者が主になってしまったことも影響している.
|
Strategy for Future Research Activity |
調査の結果,BCIに関して定評のあるオープンソースの解析システムおよびそのチュートリアルや,脳波計測に関する教材やセミナーの情報が得られたので,学生のトレーニングとして運動に関する脳波の性質を示す既報の実験を追試しながら,本研究で目的とする実験を有機的に組み合わせて,次のステップにつながる知見を可能な限り追求していく.主なテーマは,残りの期間を考慮して次の2点に絞り込む. ・力入力操作器における直感的な操作のための脳計測情報の分析と応用:いままでの結果を活かして,実時間アニメーションを加えたシミュレータを使用して本格的に脳計測実験を行ない,操作対象特性を変えることによって操作しやすさによる脳計測情報の違いを分析する. ・移動体の操縦支援のための操作運動時の脳計測情報の分析と応用:引き続き,人がハンドルを操作する際の脳波を分析する.特に,操作時の腕のEMGと運動野付近のEEGの関連を調べる.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
脳波キャップなど,実験器具の消耗が予想より激しかったため,次年度の実験で必要最小限の消耗品費を残した. 海外での国際会議発表(発表先計画中につき未定)に30万円程度,H26年度の追加実験に必要な脳波キャップに5万円×4計20万円程度,実験協力者への謝金に10万円程度使用する.残額8万円弱は,配線材,ジェルなどの実験消耗品に使用する.
|