2012 Fiscal Year Research-status Report
準微視的視点に立脚した環境作用を受けたコンクリートの力学特性モデリング
Project/Area Number |
24560560
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 靖彦 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60261327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 勝文 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30609748)
杉山 隆文 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70261865)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
本年度の研究実績を以下に示す。 (1)メソスケール劣化試験と力学試験:メソスケール供試体の硫酸もしくは塩化ナトリウムへの浸漬試験を実施し,その後,水和物量と空隙構造の同定を行った。さらに、メソスケール曲げ試験とせん断試験から,化学的浸食(硫酸劣化・Ca溶脱)を受けたモルタルの引張軟化モデルとせん断軟化モデルを導出した.その結果,物理化学的性質の変化が力学的性質に及ぼす影響は,弾性係数と引張強度および破壊エネルギーとせん断強度とで異なることを明らかにした. (2)メソスケール解析法:有限体積法に基づく化学的浸食(硫酸劣化・Ca溶脱)の数値シミュレーションプログラムを開発した.本解析手法では,硫酸による劣化を硫酸イオンの拡散および硫酸イオンと水和物との反応によってモデル化するとともに,pHを閾値としたエトリンガイトと二水セッコウの析出条件を導入した.実験値から回帰的にモルタル中の水和物量を求めることで,水和物量と析出物量に伴う固体体積の増減から空隙率を算出した.空隙率の変化量を変数としたパラメトリック解析を行い,本解析手法の妥当性を検討した.現段階では,析出物の影響を考慮していないことから,実験値より早い段階で断面損失に至るという結果になった.次年度の課題として残された. (3)コンクリートの劣化試験:断面の大きさを50~100mmとしたコンクリート角柱の各種溶液での浸漬試験を開始した.実験は順調に進んでいる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
設定した4つの研究項目をほぼ目標通り達成することができた理由は、本研究で計画した試験方法と分析方法が極めて妥当な方法であり、スムーズに実験結果を得ることができたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究が順調に進んでいるので2年目の研究計画を修正することなく実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度未使用額の発生理由:実験変数の見直しに伴い、当初予定よりも消耗品費を抑えることができた。 24年度未使用額の使用予定:数値解散計算ソフトの購入にあて、多くの解析を実施できるようにする。 旅費:600千円 物品費:600千円 謝金:200千円
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