2013 Fiscal Year Research-status Report
砂礫層のマスパーミアビリティの評価と更新統埋立地盤の長期変形への適用
Project/Area Number |
24560603
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三村 衛 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00166109)
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Keywords | 弾粘塑性有限要素法 / 更新統粘土 / 擬似過圧密 / 等価透水係数 |
Research Abstract |
①泉州沖で実施された270本あまりのボーリング調査による地層区分と地質学的な微化石、火山灰分析に基づいて、年代同定が行われ、水平方向への地層の広がりを確認することができた。これにより、空港島を中心とする領域の地層モデルを確立することができた。 ②海上音波探査による地層境界の面的な広がりを求め、ボーリングデータに基づく地盤情報データベースと連動することによって、埋立に伴う粘土層からの排水を司る中間砂礫層の面的な分布をモデル化することができた。 ③平成24年度に得られた水平一様地盤モデルに基づくマスパーミアビリティの考え方を実地盤モデル(地質モデル)に適用する際に必要となる概念を検討し、等価透水係数のチューニング手法を提案した。 ④実地盤モデルと水平一様地盤モデルの比較を行い、計測が実施されているやぐら地点の過剰間隙水圧と沈下の時刻暦を正解値として解析結果の検証を実施した。その結果、本研究で提案した地盤モデルと数値解析手法の妥当性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の第一段階として、H24年度は水平一様地盤モデルを用いて、計測されている地点における過剰間隙水圧と沈下の実測値を表現できる枠組みを確立し、その妥当性を確認した。H25年度については、実際の水平方向の層厚変動を忠実に反映した実地盤モデルを作成し、より実際に近い条件における解析モデルを構築した。この実地盤モデルを用いた解析スキームを用いて数値計算を実施し、水平地盤モデルの解析結果、および計測地点における過剰間隙水圧と沈下の実測値との比較を行った。その結果、提案した解析スキームが妥当に機能し、実際の海底地盤の変形挙動を精度良く評価することができることが確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は得られた結果に基づいて、空港島の長期的なメンテナンス計画を策定するのかについて検討する。またより実際に近い三次元変形挙動を解析できるプログラムの開発を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度に予定していた研究計画のうち、物品について現有のものを再利用することが可能となったために、若干の繰り越し金が発生したことによる。 最終年度の研究取りまとめにむけて、三次元プログラムの開発と、それによる原位置実地盤に対する解析を実施し、大規模海上埋立に伴う地盤の応力~変形挙動の統一的な評価を可能とする枠組みを構築する。これにより、学術的先進性を伴った実務に適用可能なスキームの構築を目指す。
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