2014 Fiscal Year Annual Research Report
仮想的テリトリー手法を用いた街路の歩きやすさに関する研究
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24560634
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
深堀 清隆 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (70292646)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 街路歩行 / 街路景観 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究成果は、①昨年度試行段階であったVRシミュレーターを活用した仮想歩行空間の評価実験、②仮想街路網における面的な歩行環境の評価、の2点である。 評価実験に関して昨年度静止画で実施した街路空間をVR仮想環境に移行し、被験者が自由に散策行動をしながら能動的評価ができる環境を実現した。集合住宅の前面空間に滞留空間を設定し植栽等の異なる6通りの空間デザイン案を作成した。実験はマグニチュード推定法により、視覚的統合、行動心理的統合の2つの評価基準について分析を行う実験1、自由歩行における仮想行動をインタビューして、評価グリッド法により評価構造を明らかにする実験2の2つを実施した。ここから視覚的統合から行動心理的統合へと被験者の能動的な認知-行動プロセスを把握した。②街路網の面的評価については、地理情報システムSISから抽出した南浦和駅を中心とする半径500mの圏内を対象地区とし、56ルートの中から3ルートを選定の上、仮想的テリトリーの分布を変化させた4つのシナリオによりモデル街路網を構築した。3ルート以外については現状の街路網構成を3D都市モデルにより再現している。これらのモデルに対しVR環境での仮想歩行実験を実施し、仮想的テリトリーの分布状況が歩行環境の評価に及ぼす影響を把握した。 期間全体を総括すれば次の4点が成果である。①街路の歩きやすさを定量評価するための仮想的テリトリーを用いた評価手法を考案し、商店街や集合住宅接道空間など複数の都市街路を対象に有効性を確認した。②VRシミュレーターを導入して、仮想行動を考慮した能動的な景観評価を実施した。③、①②の成果を基に南浦和駅周辺街路網において面的な歩行環境評価を実施した。④実験結果を踏まえ、評価グリッド法で得られた評価構造図から、今後の街路デザインのあり方について知見を得た。
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