2012 Fiscal Year Research-status Report
ジオメトリー論に基づく環境共生型社会基盤整備の計画手法と合意形成手法に関する研究
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24560653
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
柴田 久 福岡大学, 工学部, 准教授 (40352083)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ジオメトリー / 環境共生 / 社会基盤整備 / 合意形成 |
Research Abstract |
1.先進的環境共生型社会基盤整備に関する海外事例の分析と結果の公表 本研究で着目するHesterの文献で高く評価されたサンフランシスコのオクテイヴィア並木通り事業の現地踏査結果を分析し、事業経緯や環境的快適性と交通利便性の両立に向けた具体的な方策ならびに合意形成、効果について考察を行った。本考察結果は「大規模都市基盤整備事業からの転換とランドスケープ・アーキテクチュアの役割に関する研究-サンフランシスコにおけるOctavia並木通りの事例を通じて-」として2012年度日本都市計画学会学術研究論文集Vol.47,No.1(pp.35-43)に掲載された。 2.ジオメトリー論を援用した国内における環境共生型計画づくりの実践的検討 本研究の主眼であるジオメトリー論を援用し、福岡市における多々良川の環境調査分析を実施、本理論の有用性を検証した。さらにHesterらが所属するSAVE Internationalと協働し、福岡アイランドシティにおける野鳥公園計画のプラン提案を行った。これらの研究成果は「The Project of Island City Wild Bird Park in Hakata Bay」としてThe record of the 8th Pacific Rim Community Design Network Conference,August 2012にて公表した。 3.発展途上国における環境施策の現状把握と公園整備計画に対する具体的検討 コロンビア・マニサレス市における現地調査を実施し、環境施策の把握から具体的な公画計画の提案までを行い、実践的な研究活動を展開した。本活動成果は「コロンビア・オリバレス公園整備計画にみる景観アドバイザーの役割に関する考察」として土木学会論文集D1(Vol.69,No.1,pp.13-28,2013)に掲載されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究にかかる調査・分析結果の整理と蓄積、ならびにそれら成果の総括が滞りなく進み、計画以上の進展があったものと考える。特に発展途上国であるコロンビアならびに先進国であるアメリカなど海外における現地踏査と調査結果の分析、考察が進み、審査付き論文集への掲載がなされるなど、研究成果の公表が着実に行えたことも理由の一つとして挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はジオメトリー論の全容把握と我が国への示唆の検討、さらに我が国における環境共生型社会基盤整備の計画手法と合意形成手法の体系化について知見を充実化させる予定である。特に合意形成手法については、環境と経済の両立を図る戦略的計画手法の体系化ならびに妥当性判断に寄与する合意形成手法の整理を試みるが、文献・資料等の精査や具体的な事例の設定、分析方法については、その思想的な枠組みを含め、丁寧に再検討を進めていくつもりである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度ではコロンビアへの現地調査旅費がJICAより支給されたこと、さらに予定していた機械器具の購入を延期したことなどから、繰越金(844,495円)が発生している。25年度においては、上記研究の推進にかかる現地調査、研究成果公表にかかる物品費、旅費、さらに調査結果の整理分析にかかる作業の人件費・謝金に対し、上記繰越金を含め研究費を使用する予定である。
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Research Products
(3 results)