2012 Fiscal Year Research-status Report
城下町の庭池を結ぶ水利用システムの現状と多面的な利用実態、及びその保全利活用計画
Project/Area Number |
24560743
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
佐々木 邦博 信州大学, 農学部, 教授 (10178642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 三知 信州大学, 農学部, 助教 (40412093)
大窪 久美子 信州大学, 農学部, 教授 (90250167)
大石 善隆 信州大学, 農学部, 助教 (80578138)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 庭園群 / 水路網 / 城下町 / 歴史的環境保全 |
Research Abstract |
松代城下町を特徴づけるのは、江戸時代から伝わり城下町全体を流れる水路網とその水路で繋がっている池庭群である。今年度は池庭を再確認した。平成15年の調査では100カ所であったのが、90カ所に減少していた。特に馬場町では水路で繋がる4軒の池庭が水を入れなくなり、枯山水化していた。水路網だが、屋敷の裏側に残る畑が宅地開発されたため、一部変更されていた。また、初夏と晩秋に水路を調査したが、季節により水が流れていない水路があった。また、庭や水路にホタルが復活していることも明らかになった。平成24年度は城下町南部を中心とした調査であったが、平成25年度は東部も調査する。合わせて、城下町全体に渡る水路と池庭の持つ多面的機能と利用の実態について、成果を発表し、論文を提出する予定である。 水路網の分水の仕組みだが、水をせき止めて分水する方法が一般的であった。水路に面した洗い場はなかった。屋敷内で小さな池を洗い場にしている例が見られた。屋敷内を流れる泉水路と道を流れているカワと呼ばれる水路が別流しているため、水の利用を分けていると考えられる。上記の結果と合わせて、成果を発表し、論文を提出する予定である。 土地利用の変化は、戦後に撮影された米軍による空中写真などを用いて分析した。ここ30年の宅地化が甚だしい。また水路の植物も、主に農村にあるものが、町中でも確認された。今後、成果を発表し、論文を提出する予定である。 総じて、平成24年度の研究調査結果を今年度に今年度の成果と合わせて、発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
庭池と水路網の現状把握だが、庭池は南部のみが調査を終えている。残る東部の調査は平成25年度に行う。水路網だが、季節による水量が予想よりも増減していた。季節や天候により流れていない水路や湧水池があった。また、水量減の理由から庭池が失われている。状況の深刻さは把握できた。その詳細については、次年度に行うことにしたため、課題全体としてはやや遅れている。 水路と池庭の持つ多面的機能と利用の実態については、聞き取り調査の結果、池庭の水をなくし枯山水としたい、あるいは洋風の庭に変えたいと言う希望(本音)が予想よりも多い。この現状を踏まえた上で、次年度に調査を行うことにしたため、課題全体としてはやや遅れている。 土地利用の変化の調査は順調である。空中写真を昭和22年から順番に見ていくと変化を的確に押さえられた。ただ、写真の精度の問題があり、細かな場所が把握しにくいという課題がある。 水路の生物の調査は秋から始めたが、水生植物のリストを作成した。水路に町ではめずらしい水性植物が見つかるという成果があった。平成25年度は春から進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は調査を進める態勢が早くつくれたので、順調に調査を進めていく。平成24年度は松代町南部を対象としたが、平成25年度は東部を中心としながらも、南部での補充調査を含めて進めていく。 庭池と水路網の季節変化の把握が予想よりも激しかったので、平成25年度に進めていく。 水路と池庭の持つ多面的機能と利用の実態については、なるべく本音を把握することができるようにアンケートなどを構成し、今年度進めていく。 また、平成24年度の調査により、町内会の責任者だけでなく、今まで一般に知られていなかった住民による水路組合の存在、そしてその責任者やその活動も明らかになってきた。住民の理解も得られているので、住民にお聞きしながら、計画通り、研究を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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