2012 Fiscal Year Research-status Report
オリンピックを契機とした都市改造の分析―東京・ソウル・北京の事例分析と国際比較
Project/Area Number |
24560781
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片木 篤 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70204419)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ソウル |
Research Abstract |
本研究「オリンピックを契機とした都市改造の分析―東京・ソウル・北京の事例分析と国際比較」は、東アジアに位置し、高度経済成長期にオリンピックを開催した首都、東京・ソウル・北京を取り上げ、それぞれの都市におけるオリンピックを契機とした都市改造の計画・実施の全容を明らかにしようとするもので、平成24年度分研究は、ソウルオリンピック(1988年)の調査・分析を計画、研究代表者・片木篤と博士課程後期課程1年・朴光賢の2名で実施した。 ソウルの国立国会図書館、国立中央図書館、ソウル総合資料館(現ソウル図書館)等でソウルの都市マスタープランを精力的に収集した後、1960-80年代に策定されたソウルの都市マスタープランの内、「ソウル都市基本計画'66」「ソウル都市基本計画'78」「ソウル都市基本計画'80」の3つを取り上げ、個々の道路網パターンとそれらの比較により、ソウル市全域における道路網パターンの変遷を明らかにした。これは学術論文、朴光賢「現代ソウルの都市デザインに関する研究-1960-80年代のソウル都市基本計画の道路網を中心に」として日本建築学会計画系論文集に投稿、現在審査中である。 またオリンピック競技施設と選手村が建設された蠶室地区については、「蠶室地区総合開発計画'70」から「蠶室地区総合開発計画'74」への変遷を分析し、口頭発表論文、朴光賢「ソウル蠶室地区開発に関する研究-蠶室地区総合開発計画'70の評価を中心に」を投稿、平成25年度日本建築学会大会学術講演会で口頭発表予定である。 ソウルの都市マスタープランについては、鉄道・地下鉄等の公共交通網、緑地計画等の分析を鋭意継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最初の2年間は、ソウルオリンピックを契機とした都市改造の計画・実施の全容を明らかにする計画である。朝鮮戦争後のソウル都市マスタープランに関する資料はほぼ収集し終わり、道路網に引き続き、現在、鉄道・地下鉄等の公共交通網、緑地計画等の分析を進めており、平成25年度中には少なくとも1編の学術論文として投稿する予定である。 またオリンピック競技施設と選手村が建設された蠶室地区については、蠶室地区総合開発計画'70」「蠶室地区総合開発計画'74」に実施案を加えた3者を比較検討して、学術論文として取りまとめる予定である。都市スケールにおけるソウルオリンピックの評価はおおむね順調であるといえよう。
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Strategy for Future Research Activity |
最初の2年間は、ソウルオリンピックを契機とした都市改造の計画・実施の全容を明らかにする計画であり、都市スケールでの分析を進めながら、建築スケールでの分析に取り掛からなければならない。今後は、大韓民国オリンピック委員会が国際オリンピック委員会に提出した施設計画書の変遷を追跡し、上記蠶室地区開発との関係を明らかにすること、また建築スケールにおける各種競技施設、選手村の計画・実施の評価を行い、韓国におけるそれぞれのビルディングタイプの発展の中に位置付けることが必要である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度:ソウルオリンピック(1988年)の調査・分析の続きと位置づけ ・ソウル都市マスタープランにおける鉄道・地下鉄等の公共交通網、緑地計画の変遷に ついての分析 ・蠶室地区総合開発計画と実施案の比較検討、大韓民国オリンピック委員会によるオリンピック施設計画書の分析 ・各種競技場、選手村の計画・実施の分析
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