2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560786
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
三浦 要一 高知県立大学, 文化学部, 准教授 (70305803)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 民家 / 平面 / 住宅規模 / 住まい方 / 明治前期 / 徴発令 |
Research Abstract |
1、徴発物件資料を用いた建築史研究の総括;東洋大学内田雄造研究室が明治16年2月の年紀をもち、表紙に「徴發物件書類 家屋取調書 川越町聨合戸長役場」と題した資料に関する研究成果を発表し(昭和60年度日本建築学会関東支部研究報告集、1985)、谷直樹が「明治十七年 建家図面帳 相楽郡大野村」が徴発物件資料であることを示唆し、京都府大野村の平面構成と格式性を明らかしている(日本建築学会計画系論文報告集、第438号、1992)。本研究は、徴発物件資料に関する先行研究を総括した。 2、前近代における類似資料の調査とその分析;小寺武久の「近世の民家と町並の成立に関する考察」(『名宝日本の美術 第32巻 民家と町並』、1983)は、家屋の主屋面積と居住人数、持田畑の関係を論じ、津田良樹の『街道の民家史研究』(1995)は、江戸中期から末期の日光社参史料からみた家屋構成、平面形式などを明らかにされている。日光社参史料とは、徳川将軍が日光東照宮を参詣する際、一行が宿泊する村々の民家を記録した絵図であり、本研究では前近代において、徴発物件資料と類似したものが日光社参史料であることを指摘している。 3、明治期における類似資料の調査とその分析;家屋の平面は描かれていないが、税金付加のために作成された資料として、家屋取調帳が明治20年代に作成されたことが知られている。たとえば、新福祐子による「富山県の合掌住宅-明治22年の家屋取調帳-」(家政学雑誌、第26巻第8号、1975)の研究がある。本研究では、明治期の家屋取調帳など、徴発物件資料と類似した資料を用いた研究について考察を加えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、徴発物件資料を用いた先行研究を総括し、前近代および明治期の類例資料を全国的に調査し、過去の日本人が家屋の間取りを描いた資料には、どのようなものが現存するのかを明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、徴発物件資料を作成するために、いかなる調査を実施し、どのような書類がつくられていたのかを明らかにする。作成の背景、作図技法や描法について検討を加えることで、資料的性格を解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、物品費を21万円と予定していたが、実支出額が10万9607円となり、10万円を繰越した。平成25年度において、資料調査や学会発表などの旅費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)