2014 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノウォールの構造制御による物性とその応用に関する研究
Project/Area Number |
24560807
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
橘 勝 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 教授 (80236546)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カーボンナノウォール / グラフェン / 燃料電池 / 白金代替触媒 / 白金触媒 / 酸素還元反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、カーボンナノウォール(CNW)の成長制御と燃料電池電極材としての応用に関する研究を進めてきた。最終年度の26年度は、CNWの特徴であるドメイン構造と、白金担持、電極特性の相関を明らかにすることを目的とした。また、25年度に引き続き白金代替触媒を用いた電池の開発を行った。
CNWはAr、CH4、H2の流量を変化させDCプラズマCVD法により作製した。また、ラマン分光やXRDによりCNWのドメインサイズやPt粒子サイズを算出した。また、サイクリックボルタンメトリー法によりアノード反応の活性評価を行い、リニアスイープボルタンメトリー法により、カソード反応活性(酸素還元反応活性:ORR活性)の評価を行った。CNWのドメインサイズの減少に伴い、Pt粒子サイズが減少し、アノード反応の活性評価を示すPtの電気化学的有効比表面積(ECSA)[m2/g]が増加傾向を示した。さらに、カソード活性評価を示すMass Activity(MA)[A/g]が増加傾向を示した。つまり、Pt粒子サイズ、ECSA、MAはドメインサイズに依存していることがわかった。ドメインサイズを小さくすることで、燃料電池の反応において律速となっている、酸素還元反応(カソード反応)(ORR)活性を示すMAが増加することを明らかにした。
さらに、25年度に引き続き白金代替触媒として窒素ドープCNWの作製と触媒活性評価および電池作製を行った。結果として、。窒素ドープだけでなく微量の鉄がCNWのORR活性を引き上げることを明らかにした。また、カーボンメッシュに、直接、窒素・鉄ドープのCNWを生成して、世界トップレベルの触媒活性を観測した。さらに、それを用いた単セルも作成して、電池特性も観測した。また十分な性能は得られていないが、電極性能から判断するとさらに優れた電池特性が期待される。
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