2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560871
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
泰松 齊 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60125721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁野 章弘 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80451649)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 炭化タングステン / 炭化モリブデン / 炭化ケイ素 / 通電加圧焼結 / 機械的性質 |
Research Abstract |
まず,WC-Mo2C-C混合粉末を反応焼結し,焼結体の組織と機械的性質を調べた。原料粉末にWC,Mo2C,Cの各粉末を用い,(1 - x)WC + x/2Mo2C + x/2C→W1-xMoxCの反応が生じるように秤量し,ボールミルにより混合した。焼結は,通電加圧焼結装置で,真空中,焼結温度1700℃で行った。得られた焼結体は,密度,ヤング率,ビッカース硬さ,破壊靭性値を測定し,XRD,EPMAにより構成相の同定および微細組織の観察を行った。 混合粉末は1700℃で全て緻密に焼結した。反応は,完全ではなく,Mo2Cはx = 0.2までは少量残留し,それ以上では残留量が大きく増加した。ヤング率は,Mo2Cの増加に従って,x = 0.2までは少し低下する程度であったが,それ以上では,低下の度合が大きくなった。硬さもヤング率と同様に変化した。破壊靭性値はMo2Cの添加にほとんど影響を受けなかった。 ついで,WC-Mo2C-C混合粉末にさらにSiCを加えて反応性通電加圧焼結し,組織と機械的性質に及ぼすSiCの効果を調べた。粉末の調整はWC-Mo2C-Cの場合と同様に行い,1600 ℃~1800 ℃で焼結し,同様の焼結体の評価を行った。 SiCを添加すると,WC-MoCの焼結温度より低い1600 ℃で全てほぼ緻密に焼結した。SiCを添加しない時とは異なって,x = 0.2までは,残留するMo2Cがほとんどなく,反応が完全に進行した。ヤング率は,SiC量の増加とともに緩やかに低下した。焼結温度がヤング率に及ぼす影響はほぼなかった。ヤング率は,MoC添加量の増加に従って,x = 0.2まで緩やかに低下した。それ以上になると,低下の度合が大きくなった。硬さは,WC-MoCより少し低いが,21~22 GPaの範囲にあった。破壊靭性値はSiCの影響を受けなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度では,WC-Mo2C-C混合粉末の反応焼結によるWC-MoCセラミックスの作製について調べる予定であった。この研究は,失敗なく順調に進んだため,平成25年度予定のSiC添加の効果についても続けて調べることにした。その結果,平成25年度研究予定の8割程度まで研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究で,SiCの添加により,WC-MoC固溶体生成の固相反応と焼結反応が促進されることが分かった。この研究では加圧焼結を用いたが,工業生産する場合には,生産性と製品の形状の自由度から,常圧焼結できることが好ましい。そこで,平成25年度では,WC-Mo2C-C-SiC混合粉末を常圧下で反応焼結し,組織と機械的性質に及ぼすSiCと焼結温度の影響を調べ,常圧焼結のための最適条件を見つける。原料粉末にはWC,Mo2C,C,SiCの各粉末を用いる。(1 - x)WC + x/2Mo2C + x/2C→W1-xMoxCの反応が生じるように秤量したWC + Mo2C + C粉末にさらにSiCを加え,ボールミルにより混合する。常圧焼結は,減圧Ar中,焼結温度1800~1900 ℃で行う。得られた焼結体は,密度,ヤング率,ビッカース硬さ,破壊靭性値を測定し,XRD,EPMAにより構成相の同定および微細組織の観察を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
なし
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