2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560933
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
三宅 義和 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (70111995)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メソポーラスシリカ粒子 / 金属イオン / 吸着速度 / 擬二次動力学モデル過程 / 拡散律速過程 |
Research Abstract |
本研究の最終目標である「メソ空間内の分離場を最適化する設計手法の確立」を達成するために、StageIからStage IIIの三段階のステップを計画している。初年度は、「StageI:バッチ法による吸着平衡および吸着速度実験とそれらの定量的考察」の目標を掲げて以下のような研究を進めた。 (1)球状メソポーラスシリカ粒子による銀イオンの吸着速度の定量化を行い、この実験系では擬二次動力学モデルが適用できることを明らかにした。また、そのモデルの物理的意味が、球状吸着場での銀イオンの拡散過程が律速段階である事を明らかにして、みかけの拡散係数が10-15~10-17m2/sの範囲内にあり吸着飽和度と相関できることを見出した。この研究は、関西大学の在外研究・調査研究員として、2012年7月初旬から3か月間メルボルン大学・化学教室のS.D.Kolev教授研究室で滞在して、共同研究を行った。 (2)同じ吸着剤を用いて、Pb2+およびCd2+の吸着速度を購入したイオンメータにより測定した。その結果、銀イオンと同様に擬二次動力学モデルで相関できることを明らかにした。 (3)市販の球状キレート樹脂によるCu2+,Pb2+およびCd2+の吸着速度を回分法により測定した。この結果も擬二次動力学モデルで相関できることを明らかにした。しかしながら、この場合の見かけの拡散係数の値は10-12 m2/sのオーダーであり、球状メソポーラスシリカの場合よりも非常に大きな値が得られた。これは拡散場の細孔特性の違いであると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要の(1)で述べた結果は、メルボルン大学のS.D.Kolev教授との共著でChemical Engineering Journal誌に掲載された。 また(2)および(3)の結果は、2013年度オーストラリア・ブリスベンで開催される化学工学会のChemeca 2013で発表予定である。そして、これらの結果は化学工学関連の専門誌に投稿予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、2013年度は吸着剤をカラムに充填して破過曲線の測定を、これまでの吸着系で実験を行う。得られた破過曲線を定量的に予測するために我々が提案した擬二次動力学モデル系を用いて破過曲線を求めて、実験系との比較検討を行う。 またStageIの追加実験になるが、拡散場であるメソ細孔径が大きな球状メソポーラスシリカ粒子の調製を進め、昨年度と同様に金属イオンの吸着速度測定を行う。これらの結果を定量的に考察して、分離場の特性との相関を試みる計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
化学薬品・ガラス器具等物品費として 1,500,000円、成果発表をオーストラリア・ブリスベンで開催されるChemeca2013で発表し、またメルボルン大学のS.D.Kolev教授との研究打合せのために、出張費 400,000円、そしてRAの人件費・謝金に 240,000円を使用する予定である。 なお、昨年度は関西大学在外研究員・調査研究員としてメルボルン大学に7月から約3ヶ月間滞在した為に、研究期間の短縮により繰越金が生じた。
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Research Products
(2 results)