2012 Fiscal Year Research-status Report
ハイブリッド型洋上エネルギー開発システムの実海域性能に関する基礎的検討
Project/Area Number |
24560990
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
砂原 俊之 東海大学, 海洋学部, 准教授 (40276788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 裕 東海大学, 海洋学部, 教授 (10138638)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 浮体式洋上風力発電 / 沿岸域発電システム / 波浪推進装置 / 波浪中動揺低減 |
Research Abstract |
本研究では沿岸域で設置可能な中規模の風力発電システムを提案する。これは浮体式洋上風力発電システムに波浪推進装置を組み合わせたハイブリッド型洋上風力発電船であり、波による漂流、動揺を抑え、係留系にかかるコストを軽減することをその特徴とするものである。これまでに、想定実機の概念設計を行うと共に実験模型を用いた規則波中性能実験を行った。その結果、船体下部の水中翼により、波に逆らって船体を前進させようとする推力が幅広い波周期で働くと共に、波浪中ピッチ運動が大きく軽減(最大90%減)される等、本システムの実現に向けて十分期待を持てる結果を得ることができた。しかし、実際の洋上では波の入射角は一定でなく不規則性も大きい上、風や潮流も存在する。そこで本年度は、ハイブリッド型洋上エネルギー開発システムの実現に向けて、実海域の自然環境条件下における本システムの有効性を検証するために、プラットフォーム浮体に作用する潮流力特性を模型実験より方向特性も含めて明らかにした。 水面下の船体に働く潮流力を双胴船型の浮体部、水中翼部、水中翼を支える機構部のそれぞれについて潮流の入射角も含めて詳しく計測した結果、機構部と翼の受ける荷重がかなり大きく、浮体部のみが受ける荷重の半分近くを占めることが分かった。また、水中翼の形状により、波浪中動揺性能や漂流力特性が大きく変わるが、潮流抵抗については、調べた範囲では翼形状の違いはほとんど無いことが分かった。潮流が斜めに入射する場合、特に船体の先端部に取り付けられている機構部に働くヨーモーメントが大きく発生し、1点係留された船体のヨー傾斜をより大きくする方向に働くことが分かり、潮流の強い海域での設置を考える場合、機構部の構造を含めて、よりヨー運動に対する安定性の高い船体形状を検討しなければならないことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、プラットフォーム模型に働く潮流抵抗特性を調べるとともに、水中翼が波浪中ピッチング動揺減衰性能に及ぼす影響をを模型実験により調べる予定であったが、計測システムの故障や水槽設備の不具合などが生じたため、後者の実験を実施することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本システムは実海域の自然環境条件下における本システムの有効性を検証する必要がある。この場合、初期モデルでは双胴船型プラットフォームを採用したが、より実海域性能に優れた浮体形状の検討も必要となる。そこで、以下の検証を実施する予定である。 ・水中翼が波浪中ピッチング動揺減衰性能や係留力低減性能に及ぼす影響を模型実験により調べる。 ・風車及びプラットフォーム浮体に作用する風荷重特性を模型実験より方向特性も含めて明らかにする。模型実験には風洞および回流水槽を用いる。 ・風、波、潮流の共存場における動揺特性、係留特性を検証するために、模型を用いた総合係留実験を行い実海域性能を検証する。実験では、動揺変位、係留力、風車タワー支持部及び水中翼支持部に働く曲げモーメント等を計測する。 ・風や波の変動を考慮した時系列シミュレーション計算を実施し、上記実験結果と比較、検討する。 ・水中翼の形状、あるいは可動翼か固定翼かで係留特性も大きく異なってくる。上記実験結果を基に係留系の特性解析を行い、一点係留方式の成立可能性を検証する。 これらの結果から本システムの実海域性能の基礎的検討を行い、実現に向けての技術的可能性を評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)