2014 Fiscal Year Annual Research Report
モデルバイオマスを用いたバイオマスの炭化挙動の解明
Project/Area Number |
24561015
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
林 順一 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (60247898)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 炭化 / 吸着 / 調湿 / 灰分 |
Outline of Annual Research Achievements |
バイオマスの転換方法に炭化がある。炭化によって得られた炭化物は燃料(エネルギー)としても吸着剤(マテリアル)としても利用できる。本年度は,木質,食品廃棄物,農業廃棄物,家畜糞尿,汚泥などのバイオマスの炭化物を製造し,得られた炭化物への水蒸気吸脱着等温線を測定した。そして,バイオマス炭化物の物性(元素組成,細孔構造,灰分,表面官能基)が水蒸気吸着特性に及ぼす影響について検討した。 木炭に対する水蒸気吸着等温線は,木炭表面が疎水性であるために低相対圧部での吸着量は小さく,相対圧が0.4付近を超えると急激に吸着量が増加した。これに対して,おから,酵母粕などから得られた炭化物のように炭化物中に窒素を多く含む場合,相対圧が0.4より低い湿度域での水蒸気吸着量が大きく増加することがわかった。このように炭化物中に窒素が含まれると表面が親水性化することがわかった。 牛糞堆肥炭化物やバナナの皮の炭化物のように,灰分としてカリウム,カルシウム,ナトリウム化合物を多く含む炭化物の場合,高湿度域での水蒸気吸着量が大きく増加することが明らかとなった。しかし,籾殻炭化物のように灰分が多くてもその組成がシリカの場合,高湿度域での水蒸気吸着量の大きな増加は見られなかった。得られた炭化物を用いて相対湿度55%-90%の領域での調湿能を水蒸気の吸脱着等温線から評価すると,灰分としてカリウム,カルシウム,ナトリウム化合物を多く含むと調湿能が大きく向上することが明らかとなった。
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