2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24570112
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
西田 治文 中央大学, 理工学部, 教授 (70156082)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 古植物学 / ゴミ化石 / ゴンドワナ / 植生・環境 / 古第三紀 / 白亜紀 / 南極 / 国際情報交換 チリ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年3月にチリ南極研究所から到着した南極産植物化石の送料を繰越した研究費で支払った。この試料には、南極では未発見であった前期白亜紀の珪化土壌が含まれ、そのひとつからフサシダ科の胞子葉を発見し、同科のあらたな絶滅属であることがわかった。成果は平成28年10月にブラジルで開催される第13回国際花粉学会・第10回国際古植物学会合同大会で発表する。これまでのチリ及び南極における鉱化植物化石研究の特色の一つは、石灰質ノジュールに含まれる植物ゴミ化石の形態学的研究であった。その成果の一部を平成27年7月にカナダで開催された全米植物学会のシンポジウムで発表した。特筆できるのは、コチョルゲ産の白亜紀球果類の球果化石で、これまで知られていなかった特異な形態から、絶滅した球果類の新たな科であることがわかったことである。この球果については、平成28年7月にベルギーで開催される国際学会で報告する。コチョルゲからは始新世の珪化泥炭をこれまでの調査で発見していたが、その中から南米でははじめてのモクマオウ科の珪化花化石を発見した。現在では南米では絶滅している科であるが、始新世まで分布していたことがわかった。研究協力者のHinojosaらとの論文を平成27年12月に発表した。ナンキョクブナ類の系統と植物地理に古生態学的な解析を加え、系統進化と生態学的ニッチの関係について論じた古植物学分野では新進の研究となった。また、チリ南端で発見したナンヨウスギ科の球果とシュートの新種を記載し、論文をBotany誌に投稿した。 平成27年度に繰り越したチリの植物化石研究会は開催しなかったが、研究協力者の山田が新たに同年度からチリの調査を開始したので、研究引き継ぎのため山田の主催する研究会に参加した。研究会では、これまでの成果がまとめられ、新たな共同研究計画がたてられた。
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[Journal Article] Non-congruent fossil and phylogenetic evidence on the evolution of climatic niche in the Gondwana genus Nothofagus2015
Author(s)
Luis Felipe Hinojosa, Aurora Gaxiola, Maria Fernanda Perez, Francy Carvajal, Maria Francisca Campano, Mirta Quattrocchio, Harufumi Nishida, Kazuhiko Uemura, Atsushi Yabe, Ramiro Bustamante, Mary T. K. Arroyo
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Journal Title
Journal of Biogeography
Volume: 43
Pages: 555-567
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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