2012 Fiscal Year Research-status Report
DNA修復因子による遺伝情報発現制御とその遺伝子疾患の分子病態の解析
Project/Area Number |
24570156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
成田 央 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (50437399)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | DNA修復 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本年度の研究実績の概要は、研究計画に示したステップに分けてそれぞれ記述する。 まず「XPGが含まれる転写複合体の全体像の把握」では、エピトープタグを付加したXPGを恒常的に発現する293細胞をクロスリンカーで処理し、その抽出液を免疫沈降することによってこれまで知られている因子の他にいくつかの新規XPG相互作用因子を明らかにした。さらに同様の実験をXPGの変異体を用いて行い、XPGの変異とその相互作用の間にどのような関係があるかについて解析を行った。この変異体はXP-G群患者に見られるものをベースに作製しており、XPG複合体と臨床症状とのつながりを解明する手がかりとなると考えられる。 次に「XPGによる遺伝情報発現制御メカニズムの解明」では、上皮成長因子によって誘導される遺伝子の1つであるc-fosに注目し、この誘導機構にXPGが関与するかどうかについて複数の側面から解析を行った。具体的には、HeLa細胞とXPGをノックダウンしたHeLa細胞の組み合わせや、正常・軽度の臨床症状を示すXP-G患者由来・重度の臨床症状を示すXP-G患者由来の初代培養細胞の組み合わせを用いて、EGF添加後のc-fos遺伝子の誘導量を検討した。その結果XPGがEGFによるc-fosの誘導機構に関与しており、それがXP-G患者の臨床症状と関連することが示唆された。またHeLa細胞核抽出液を用いた試験管内転写系において様々な鋳型や転写条件の下で、XPGの有無が転写量に影響するかについても検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的や研究方法に記載した実験について予想された結果が得られており、 現在のところおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上に示したように現在のところ計画通り進展しているので、引き続き研究目的・方法に沿って研究を遂行する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含めて、当初予定通りの計画を進めていく。
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