2013 Fiscal Year Research-status Report
DNA修復因子による遺伝情報発現制御とその遺伝子疾患の分子病態の解析
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24570156
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
成田 央 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (50437399)
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Keywords | DNA修復 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本年度の研究実績の概要は、研究計画に示したステップに分けてそれぞれ記述する。 まず「XPGが含まれる転写複合体の全体像の把握」は、前年度において一定の結論を得ていたので当年度においては特段新しい実験は行っていない。但し、補助的な実験において前年度において観察されたXPG複合体が再現性よく形成されることを確認した。 次に「XPGによる遺伝情報発現制御のメカニズムの解析」では、アメリカの細胞バンクよりXPG遺伝子に変異を持ち色素性乾皮症やコケイン症候群を発症した患者由来の初代培養細胞を入手し、それらの刺激に応答した転写反応を観察した。その結果、EGF刺激後のc-fos遺伝子の発現は正常細胞と比べて、XP-G/CS患者細胞においては有意に減少することが明らかとなった。その一方で、コケイン徴候を示さないXP-G細胞においては正常細胞とXP-G/CS細胞の間の誘導パターンを示した。ウエスタンブロッティングの結果からXP-G細胞においては点変異をもつ完全長のXPGの発現が正常細胞と比べて著しく低いことが明らかとなったので、XPのみを引き起こす点変異XPGは正常XPGと同等の転写活性を有すると考えられる。これらの結果はHeLa細胞を用いた結果と合致しており、データをより強固にすることに寄与すると考えられる。 最後に「XPG患者の臨床症状とXPGによる遺伝情報発現制御の関係の解明」ではDNAマイクロアレイを用いた網羅的な発現解析をHeLa細胞とXPGノックダウンHeLa細胞を用いて行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的や研究方法に記載した実験について予想した結果が得られており、 現在のところおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き計画に従って、研究を遂行する。 また研究のとりまとめを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費を効率的に執行したために次年度使用額が生じた。 今後の研究計画に変更はなく、効率よく研究費を執行する予定である。
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