2014 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子細胞機能推定のための統合ネットワークの構築と解析
Project/Area Number |
24570176
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木下 賢吾 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (60332293)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | タンパク質間相互作用 / 遺伝子共発現 / 相互作用ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度はこれまで開発した手法と拡充したデータを利用して、大きく分けて共発現データの解析とタンパク質間相互作用ネットワークの解析を行った。 共発現データの解析に関しては、前年度までに開発を行った共発現パターンの比較法をヒトとマウスの種間比較へと適用した。データとしては前年度データの拡充を行ったRNA-seqによる共発現データを利用した。その結果、種を超えて特徴的に保存している遺伝子群として2717遺伝子群を同定することができた。これらをさらに詳細にクラスター解析を行ったところ、タンパク質合成系や細胞周期に関わる基礎的な遺伝子群が予想通りあきらかになったのと同時に、予想とは異なり、免疫系などで共通の共発現パターンを有することを見いだした。また、その他のクラスターに関しても系統的な比較を行うことで、従来手法よりも種間で保存していることを加味したクラスターで有意に多くのGO-termが濃縮することもわかり、今回の計画で開発を行った手法の有効性を明らかにすることができた。以上の結果をまとめた論文の投稿を3月に行い、現在改訂中である。 タンパク質間相互作用ネットワークの解析に関しては、前年度までに開発を行ったタンパク質間相互作用ネットワークから機能モジュールを探すためのクラスタリング手法の改良を行った。具体的には、これまではクリークと呼ばれる全てのノードが互いにエッジを持っている部分グラフを効率的に探す手法はあったが、クリークという条件は生物学的には厳しすぎることが問題であった。そこで我々は、PageRank等のノードの重み付けに着目して、小さな部分グラフから大きな部分グラフを構成するアプローチで、クリークに近いクラスターを効率的に検出する手法の開発を行った。結果として、従来手法よりもより機能的に関連性の深いタンパク質群を見いだすことができた。結果と手法を報告する論文を現在投稿準備中である。
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