2013 Fiscal Year Research-status Report
非コードRNA作用複合体・クロマトイド小体による半数体ゲノム遺伝子量補正機構解明
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24570237
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
佐藤 陽子 山口大学, 獣医学部, 学術研究員 (50398963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
音井 威重 山口大学, 獣医学部, 教授 (30311814)
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Keywords | 発生、分化 / 精子形成 / 遺伝子量補正 / 非コードRNA |
Research Abstract |
雄性生殖細胞特徴的な構造クロマトイド小体は、細胞間橋を通して精子細胞間の移動を行い、またこの構成蛋白には生殖細胞の遺伝子発現に関与するRNA 干渉作用があることから、ゲノム半数化に伴う遺伝子量補正に関与することが推測されている。本研究では、性染色体特異的なマーカー遺伝子の円形精子細胞における遺伝子量補正時期を確定し、細胞間橋を維持して精子形成過程を円形精子の後期まで再現可能な新規in vitro培養系を用いて、クロマトイド小体を物理的または化学的に不活性化することにより、半数体精子細胞の遺伝子量補正におけるクロマトイド小体の必要性を明らかにし、転写物の翻訳制御と遺伝子量補正への関与を検証することを目的とする。 昨年度より、性染色体特異的なマーカー遺伝子(Ubely, Akap4, Utp14b)の円形精子期における発現の検討をRT―PCRにより行い、性染色体特異的なマーカー遺伝子の遺伝子量補正の時期をin vivo 及びin vitroで同定した。次に、クロマトイド小体を化学的に不活性化するため、精細胞と我々が開発したセルトリ細胞株との共培養下で円形精子を作製し、マーカー遺伝子の遺伝子量補正期前に、サイトカラシンB処理によりクロマトイド小体の移動を止め、クロマトイド小体の移動停止が、遺伝子量補正に関与するかどうかを現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
我々が開発した共培養系は、精原細胞より円形精子細胞への分化を促進するが、円形精子細胞までの発生率は高率ではなく、培養条件の改良も含め検討を行ってきたが、性染色体特異的なマーカー遺伝子の発現量解析に手間取った。しかし、遺伝子量補正の時期が同定できたことにより、今後の研究がスムーズに進むと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、まず、現在検討中の実験であるサイトカラシンBによるクロマトイド小体の移動停止が、遺伝子量補正に関与するかを明らかにする。次に、サイトカラシンBのクロマトイド小体以外の物質や細胞内小器官の移動抑制による遺伝子量補正への関与を除外するため、X,Y両染色体マーカー遺伝子の遺伝子量補正前に細胞間橋を持つ円形精子細胞のクロマトイド小体を物理的に破壊し遺伝子量補正期まで精細胞を培養し、マーカー遺伝子の発現より遺伝子量補正状態を検討する。本実験により遺伝子量補正がクロマトイド小体にのみに依存するかが明らかとなる。さらに、次にクロマトイド小体構成蛋白に着目し、X-linked GFP マウスの精細胞でこれらの蛋白を破壊するため、GFPと波長が異なり標的蛋白に特異的な色素付加が可能なReASH(Red biarsenical fluorophore)を用いたRALI法の開発を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年度より研究代表者の所属が代わり、新規に研究室を立ち上げて研究を行わなければならなくなるため、共同研究者の所属する山口大学の研究室を使用するだけでは、研究の時間がとれなくなる。よって、なるべく機材等が購入できるよう、研究費を調整して使用したため、次年度使用額が生じた。 新しく立ち上げる研究室では、顕微鏡等、大型機器はだいたいそろっているので、購入する必要はないが、細胞を保存する液体窒素タンクや、顕微鏡写真の画像解析装置など(50万円以下)の機材を購入し、また、研究開始時に計画していた予定の試薬等を購入して使用して行く予定である。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Motility and fertility of boar semen after liquid preservation at 5°C for more than 2 weeks.2013
Author(s)
Namula Z, Sato Y, Kodama R, Morinaga K, Luu VV, Taniguchi M, Nakai M, Tanihara F, Kikuchi K, Nagai T, Otoi T.
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Journal Title
Anim Sci J.
Volume: 84 (8)
Pages: 600-606
DOI
Peer Reviewed
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