2014 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報を書き換えてストレスに対抗する植物のしくみの解明
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24580016
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
土生 芳樹 独立行政法人農業生物資源研究所, ゲノム機能改変研究ユニット, 主任研究員 (80266915)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | トランスポゾン / イネ / メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
DaiZ10の5’端に近い転移酵素遺伝子プロモーター領域は野生型で高度にメチル化されているが、低メチル化系統では、この領域のほとんどのメチル化が消失していた。一方で、3‘端の転移酵素遺伝子下流領域では、低メチル化系統においてもメチル化の低下は見られず、これらの結果から(1)DaiZ10の活性化状態と転移酵素遺伝子プロモーター領域のメチル化状態に相関があること、(2)DDM1はDaiZ10の特定領域のメチル化維持に関与していることが示された。
イネの挿入変異の原因因子として広く利用されているレトロトランスポゾンTos17は長期間のカルス培養で活性化されることが知られているが、DaiZ10の活性化はカルス誘導後1週目で観察され、Tos17よりもカルス誘導過程の早い時期で活性化されていることが示された。DaiZ10と99%以上の相同性を示すDaiZ型トランスポゾンは日本晴ゲノム中の4か所に存在するが、(1)低メチル化系統ではこれらの全てが活性化され、(2)野生型カルスではこれらのうち少なくとも2か所で活性化していた。インディカ系統であるカサラスのゲノムにも相同性の高いトランスポゾンが存在し、やはりカルス化で活性化されることが明らかになった。また、日本晴においては植物体の一過的な熱ショックでもDaiZ10の弱い活性化が検出された。
これまでのところ脱離したDaiZ10のゲノムへの再挿入は検出されておらず再挿入頻度は低いと考えられた。カルスから再分化させた植物体においては半数以上の個体でDaiZ10が脱離活性を維持していることが確認され、さらに次世代においても脱離活性は維持されていた。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Epigenomic modification in rice controls meiotic recombination and segregation distortion2015
Author(s)
Habu Y, Ando T, Ito S, Nagaki K, Kishimoto N, Taguchi-Shiobara F, Numa H, Yamaguchi K, Shigenobu S, Murata M, Meshi T, Yano M
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Journal Title
Molecular Breeding
Volume: 35
Pages: 103
DOI
Peer Reviewed
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