2012 Fiscal Year Research-status Report
アーバスキュラー菌根菌に対するイネ科作物の生育応答に関する研究
Project/Area Number |
24580020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
畑 信吾 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (40238001)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流、ラオス |
Research Abstract |
イネ科植物で知られているリン酸トランスポーター遺伝子のDNA配列を比較して設計したサブファミリーI特異的プライマーを用い、オオムギやコムギの菌根におけるサブファミリーIリン酸トランスポーター遺伝子断片を得た。次いで5'-RACEと3'-RACEにより、オオムギ菌根から1分子種、コムギ菌根から3分子種の新規な完全長リン酸トランスポーター遺伝子cDNAを得た。 それらの新規な遺伝子発現状況をRT-PCRによって調べた。その結果、意外なことに、菌根菌感染によって生育抑圧を受けるムギ類においても、これらの遺伝子は(著しく生育促進されるソルガムのサブファミリーIリン酸トランスポーター遺伝子に匹敵するレベルで)高発現することが判明した。したがって、ムギ類における生育抑圧の原因はこれらの遺伝子の転写以降にあると思われた。 今後は、リン酸トランスポータータンパク質レベルの確認やリン酸輸送活性の確認等を通じて、菌根菌によるムギ類の生育抑圧機構に迫りたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オオムギとコムギから新規なサブファミリーIリン酸トランスポーター遺伝子を単離・同定することができ、菌根におけるそれらの高発現状況を明らかにした。ただし、タンパク質産物の細かい性状解析は今後に残された課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
ソルガムをはじめとするイネ科作物の苗に菌根菌をあらかじめ接種し、土着の菌根菌がいないと思われる水田転換畑において栽培を行い、菌根菌接種による生育促進や早期開花の有無を圃場レベルで確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(3 results)