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2013 Fiscal Year Research-status Report

昆虫ゲノムにおける転移因子の動向による異種交雑の指標確立

Research Project

Project/Area Number 24580080
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

中島 裕美子  琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (70244340)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 間野 修平  統計数理研究所, 数理・推論研究系, 准教授 (20372948)
手島 康介  九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20447593)
KeywordsBmTNML 座位 / mariner-like element / CIM / Bombyx mandarina / Bombyx huttoni / R1, R2
Research Abstract

カイコ(p50系統)の雌と関東地域に生息しているクワコの雄を交配させた次世代の雌雄数個体のゲノムDNAを用いて、CIMを増幅するプライマー(Cecropia蚕MLEの末端逆位繰り返し配列)、およびCIMの中でもBmTNML座位を特異的に増幅するプライマーでそれぞれPCRを行った。予め、p50系統の親雌個体における、CIM, BmTNML領域は共にカイコ型であり(転移因子mariner-like elementにレトロトランスポゾンBMC1が挿入され、さらにL1Bmが挿入された転移因子の3重構造)、クワコはカイコ型ではないクワコ日本型であることを確認した。交雑次世代においては、カイコ型とクワコ型のヘテロの個体が出現し、それぞれの配列は、カイコ、クワコ双方のBmTNML領域のものであった。従って、少なくともカイコ雌が野生のクワコ雄と交雑した次世代においてはBmTNMLカイコ型が検出できることがわかった。また、F1以降の後代においても、カイコ型は維持される可能性が示唆された。
BmTNML座位以外のCIMが座上しているいくつかの座位について、CIMおよびそれらが挿入されたホストゲノム領域の配列をカイコ、および採集したクワコから決定した。
カイコゲノムにおけるR1, R2因子の全長、rDNA領域、rDNA以外の領域に挿入されたR1, R2部分配列におけるGC含量を解析した。その結果、R1, R2の全長のGC含量は高く、rDNA領域ではR1, R2やその他の転移因子が挿入されている領域、またrDNA遺伝子領域以外でも、R1, R2の部分配列に挿入された領域におけるGC含量は高い傾向にあった。また、rDNA、およびR1, R2の転写産物の長さに応じて(何種類かの長さの領域が特異的にターゲットとなっている)非コードRNAが結合する傾向にあることがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

カイコ雌とクワコ雄の交配後代におけるCIMとBmNTML領域の比較から、当初の予想とほぼ一致する結果を得ており、BmTNML座位が雑種個体を判定するマーカーとしての利用できる可能性が示唆された。従って計画の根幹は進展していると判断できた。
また、rDNA遺伝子クラスター、およびそれ以外に分布しているR1, R2レトロトランスポゾンの部分配列の解析から、これらの中には非コードRNAが結合するターゲットとなっている可能性を示唆する結果が得られおり、当初の計画以外のアプローチにより、rDNA遺伝子を含むゲノム全体におけるR1, R2挿入ホットスポットと非コードRNAの関係を明らかにする方向へ進展できた。今後R1, R2についてはカイコの近縁種であるクワコ、インドクワコとの比較解析により、進化的な側面からの研究へと発展させられることが考えられる。

Strategy for Future Research Activity

前年度までに単離したBmTNML座位以外のCIMとそれらが挿入されたホストの配列を用いたコアレセント解析により、それぞれの座位におけるCIM挿入年代の推定を進める。
カイコ雌とクワコ雄の交配は容易に行えたが、逆の交配(クワコ雌とクワコ雄)がうまくいっておらず、それぞれの個体数を増やし、また羽化期を揃えることで雑種作成を試み、後代へのBmTNML領域の伝わり方を明らかにする。
B. huttoniに関してはカイコで設計したBmTNML領域を増幅するプライマーでが検出できない可能性が高まったため、進められつつあるゲノム情報を基盤にしたCIMの網羅的探索に切り替えるととも、新たに、B. huttoni個体の入手を先行して進める。
11番染色体のrDNAクラスター中以外に見出されたR1, R2レトロトランスポゾン部分配列のカイコ、クワコ、インドクワコのそれぞれのゲノム上での分布の比較を進める。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

インドでの採集を数回計画したが、天候不良と、先方の共同研究者の体調悪化により、渡航を次年度に延期したため、次年度への使用額が生じた。
主にインド渡航のための旅費、採集、先方でのベンチワーク等に必要な経費に充てる。

  • Research Products

    (4 results)

All 2014 2013

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] A novel cluster of mariner-like elements belonging to mellifera subfamily from spiders and insects: implications of recent horizontal transfer on the South-West Islands of Japan.2014

    • Author(s)
      Kaori Yamada, Yuichi Kawanishi, Akinori Yamada, Gaku Tokuda, Raj Deep Gurung, Takeshi Sasaki, Yumiko Nakajima, Hideaki Maekawa
    • Journal Title

      Genetica

      Volume: 142 (2) Pages: 149-160

    • DOI

      0.1007/s10709-014-9762-9

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Biogeography Revealed by Mariner-Like Transposable Element Sequences via a Bayesian Coalescent Approach.2013

    • Author(s)
      Shigeki Nakagome, Yumiko Nakajima, Shuhei Mano
    • Journal Title

      Journal of Molecular Evolution

      Volume: 77 (3) Pages: 64-69

    • DOI

      10.1007/s00239-013-9581-0

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Mos1 transposon-based transformation of fish cell lines using baculoviral vectors.2013

    • Author(s)
      Masako Yokoo, Ryosuke Fujita, Yumiko Nakajima, Mamoru Yoshimizu, Hisae Kasai, Shin-ichiro Asano. Hisanori Bando
    • Journal Title

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      Volume: 439 (1) Pages: 18-22

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2013.08.037

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 挿入座位を特定したマリナー様転移因子(mariner-like elements; MLEs)の配列比較に基づく日本産クワコの系統解析2013

    • Author(s)
      川西祐一, 前川秀彰, 伴野豊, 中島裕美子
    • Organizer
      日本蚕糸学会九州支部研究発表会
    • Place of Presentation
      久米島博物館
    • Year and Date
      20131008-20131009

URL: 

Published: 2015-05-28   Modified: 2022-12-27  

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