2013 Fiscal Year Research-status Report
新世代衛星測位システムを用いた森林測量の測位精度および作業効率の向上
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24580219
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
吉村 哲彦 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (40252499)
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Keywords | 森林測量 / GPS / GLONASS / GNSS / MSAS / 準天頂衛星 / 測位試験 / 面積測量 |
Research Abstract |
森林管理や林業の実務における衛星測位システム(GNSS)の重要性が高まる中、MSAS(静止衛星からGPSの補正情報を送信する日本の衛星システム)、GLONASS(アメリカのGPSに対抗してロシアが運用している衛星測位システム)、準天頂衛星(日本で常に天頂付近に見えるよう非対称8の字軌道を描きながら、GPSの位置情報を補完・補強する信号を送信する衛星測位システム)を活用した森林環境における高精度測位の可能性の検証を行った。前年度島根大学三瓶演習林に作った測位精度のテストサイトは小規模のものであり、測位点数が少なく面積測量の検証もできないため、トータルステーションを使って0.24haのテストサイトをスギ人工林内に新たに設定した。各測位点における樹冠開空度の評価も魚眼レンズを用いた全天写真で行った。このテストサイトでマッピングレベルのTrimble Pro 6T/6HとナビゲーションレベルのeTrex 20/20J、GPSMAP 62SJという5種類のGNSSレシーバーを用いて測位試験を行った。その結果、真の面積に対するTrimble Pro 6Tによる実測値がディファレンシャル補正後に100.4%になるなどGLONASSを使ったマッピングレベルのGNSSレシーバーにより高精度な面積測量が可能であることが明らかになった。GPSMAP 62SJ(MSASなし)では実測値が真の面積に対して117.9%と大きな乖離を生じたが、GPSMAP 62SJ(MSASあり)では104.2%となりMSASに一定の補正効果が認められた。準天頂衛星にはほとんど測位誤差の改善効果が認められなかったが、これは補完信号のみしか使っていないためと考えられる。降雨に関してはほとんど測位誤差への影響がみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
世界的にもほとんど前例のない森林管理と林業の実際の現場に近い面積を有するGNSSレシーバーのテストサイトを設定し、そこでMSAS、GLONASS、準天頂衛星といった新たな衛星測位システムの位置誤差のみならず面積測量の誤差についても検証することができた。それによって、これまで困難であると言われていたナビゲーションレベルのGNSSレシーバーによる面積測量の基準がわかるなど多くの新しい知見を得ることができるなど予想以上の成果も出ている。降雨の測位誤差への影響についてはほとんど確認できないということもわかった。現在これまでの途中経過について論文にまとめているところであるが、このプロセスだけが全体の中で若干遅れている。そこで総合的にみた達成度を「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでスギ人工林内においてGNSSレシーバーの測位試験を行ってきたが、新植地における面積測量の精度についての検証が必要と考えており新たに新植地にも精密なテストサイトを設定する予定である。さらに、準天頂衛星の補強信号の効果を明らかにするための試験を前年度設定したスギ人工林内テストサイトとあわせて新植地テストサイトで実施する。最終的な成果として、森林環境下において測位精度を推定するための予測式を求め、森林管理と林業の現場で必要とされているGPS/GNSSレシーバーで森林測量が可能な(測位誤差が許容範囲内におさまる)条件について提示する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1,144円という少額の繰り越しが発生したが、この金額内で買うことのできる必要なものがなかったからである。 次年度の研究経費と合算して消耗品の購入に充当する。
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Research Products
(3 results)