2013 Fiscal Year Research-status Report
混迷するバイオマス活用促進対策の再構築に関する研究
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24580312
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
泉谷 眞実 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (60265064)
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Keywords | バイオマス |
Research Abstract |
バイオマスの利活用を進めるためには、技術開発や事業性の分析に加え、原料の調達と製品の販売過程を対象とした流通論的な分析が必要である。そこで本研究ではバイオマス活用促進対策の新しいモデルを検討するために、①バイオマスのリサイクルチャネル、②需給調整プロセス、③需要発見プロセスの検討と④既存の活用促進対策の問題点の解明を行う。 平成25年度は③需要発見プロセスの解明を主要な課題とし、①②の課題についても前年度の補足的な調査を行った。また、需要発見プロセスの解明に際して当初は堆肥化事業のみを調査対象とする計画であったが、近年のバイオマスエネルギーの重要性をかんがみ、対象をバイオ燃料事業(バイオディーゼル燃料、もみ殻固形燃料)にも拡張し、青森県と北海道の事業所を対象とした調査・分析をおこなった。また、バイオ燃料に関しては全国ベースで製造事業者に対するアンケート調査を行った。需要発見プロセスにおいては、「リサイクルループ」にみられる事前のユーザーの確保が重要なこと、および自給的な利用を確保しておくことが必要であることが明らかになった。 また、リサイクルチャネルと需給調整プロセスの解明(①②)については、果実ジュース製造副産物のみではなく、米ぬか、廃食油、木質ペレットに品目を拡大することが出来、各品目の事業所調査を行った。また、廃食油については先の製造事業者アンケートでデータ収集を行った。リサイクルチャネルでは、広域チャネルに錯綜と不調が発生しており、地域内チャネルに事業者が回帰している実態が明らかになった。また、需給調整プロセスにおいては、事業者間による調整が行われており、地域における事業者の集積度合いが重要なこと。各事業者における自給的な利用部分が重要なバッファーになっていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バイオマスの需要発見プロセスの解明については、堆肥化事業者に加え、バイオ燃料事業者に対象を拡張し、調査を行えた。また、リサイクルチャネルの解明と需給調整プロセスの解明については、果実ジュース製造副産物に加え、米ぬかや廃食油、木質ペレットの各品目に対象を拡張し、調査を行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、④既存のバイオマス活用促進対策の問題点の解明を行うと同時に、需要発見プロセス、リサイクルチャネルの解明、需給調整プロセスの検討を行い、これら諸課題の検討を踏まえて、新たなバイオマス活用促進対策のモデルとしての「地域ボトムアップ型活用推進モデル」の構築を行う。 なお、④の課題を進めるに際して、申請当初はバイオマスタウン構想を策定した自治体を対象としたアンケート調査および聞き取り調査を行う計画であったが、バイオマスタウン構想事業が終了し、新たに「バイオマス産業都市構想」事業が始まっている。そのため、調査対象をバイオマスタウン構想策定市町村から、バイオマス産業都市構想策定市町村に変更または拡張を検討している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の文献資料の発注が遅れたため。 平成25年度の未使用額(20,496円)は、平成26年度の文献資料の入手にあてる計画である。
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Research Products
(4 results)