2014 Fiscal Year Annual Research Report
「農超対接」による新たな中国生鮮食品サプライチェーン形成の実態と意義に関する研究
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24580322
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小野 雅之 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90224279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 軍 流通経済大学, 経済学部, 准教授 (30326798)
坂爪 浩史 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80258665)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 農超対接 / 中国 / 生鮮食品 / サプライチェーン / 農民専業合作社 / 超市(スーパー) / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.本研究は,2008年以降,中国政府が推進している農産物流通の新しい形態である「農超対接」(スーパー,外食企業などと農民,農民専業合作社などとの直接取引)に着目し,それによる新たな生鮮食品のサプライチェーン形成の意義と今後の発展可能性,中国生鮮食料品流通に及ぼす影響について,実態調査に基づいて実証的に明らかにしようとするものである。 2.2014年度には,山東省および河南省において,規模や生産品目が異なる農民専業合作社の調査を行った。その結果,農民専業合作社の規模や生産品目の種類によって「農超対接」の形態が異なることが明らかになった。すなわち,多品目を大量に生産する農民専業合作社の事例では,大規模スーパーへの直接販売を行っているのに対して,特定品目を生産する農民専業合作社や小規模な農民専業合作社の事例では,スーパーとの間に農産物流通企業が介在していた。また,農民専業合作社のなかには,他の農民専業合作社や卸売市場から集荷をしてスーパーに販売する事例も見られた。 3.以上のことから,「農超対接」は流通チャネルの分類において本来は直接販売チャネルに区分されるが,実際にスーパーとの間で直接販売チャネルを形成できている農民専業合作社は大規模かつ多品目生産を行うものに限られており,小規模または特定品目を生産する農民専業合作社の場合,スーパーへの販売において中継過程の介在が必要となることが明らかになった。また,農民専業合作社が事実上,スーパーの調達部門を構成する場合があることも明らかになった。 4.本研究によるこれらの研究成果をさらに発展させるため,2015年度から多様な産地流通の実態を把握するために,引き続き研究を行う。
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Research Products
(4 results)