2012 Fiscal Year Research-status Report
ナタネ生産及びバイオ燃料利用の持続可能性に関する実証的研究
Project/Area Number |
24580335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
小野 洋 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター生産基盤研究領域, 主任研究員 (40446480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 源太 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター生産基盤研究領域, 主任研究員 (40355508)
野中 章久 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター生産基盤研究領域, 主任研究員 (60355253)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナタネ / バイオ燃料 / 自給生産 / 国際情報交換 / ドイツ |
Research Abstract |
1.国内ナタネ生産の流通実態は、統計調査の中止等の要因により必ずしも明らかにされてこなかった。そこでナタネ生産・加工・流通に関するデータを収集し、現在のナタネ市場が寡占的であり競争的でない実態を解明した。あわせてわが国におけるナタネ生産の歴史的背景・品種育成の現状・農村経済的意義を総論的に整理した。 2.近年の資源価格高騰を受け、耕作放棄地を活用したエネルギー作物生産が取り組まれている。ナタネ栽培による耕作放棄地再生の実証データをもとに、エネルギー投入産出効率に関するLCAを実施し、10年以上の長期間放置された農地では耕作再開にかかるエネルギーが大きく、これをナタネ生産で回収することは困難であることを示した。 3.ナタネの選別プロセスでは色彩選別機も一部では導入されているが、小規模産地ではコスト面で導入が困難である。このため、無選別の地域では低品質ナタネが混在したまま搾油・食用油化するケースが多く、品質に問題が発生している。大豆選別機をベースに改良を加えることで、比較的安価(30万円程度)に低品質ナタネを選別する試作機を開発した。 4.わが国と同様に生産調整制度にナタネを組み入れたドイツを対象に、生産・利用に関する現地調査を実施し、ミュンヘン工科大、バイエルン州農林省・バイエルン農民連盟等の研究者・行政官と意見交換を行った。ナタネを原料としたバイオディーゼル生産は、わが国と同様に助成制度の変更を大きく受けること、無変換のストレートナタネ燃料の利用に対する研究者の関心が高いこと、またLCAの精度向上が課題であること等、従来の文献では必ずしも明確にされていない問題点を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
国内ナタネの現状に関しては、栽培から搾油・販売までの包括的把握を研究目的とし、現地調査等により生産・消費双方の隘路について検討・分析を行った。24年度は、論文「制度変更とナタネ価格」「消費者調査による国産ナタネ油(圧搾法)の認知度と受容価格」等を公表した。この他、図書「国産ナタネの現状と展開方向」を公刊し、現代の経済環境下において搾油・販売までを地域内で一貫して行う自給的生産の可能性を経済学説史の視点から整理した。またナタネ一貫生産の事例分析をもとに、当該活動により地域内に発生する所得がナタネ栽培に対する助成額を上回ることを示した。 ナタネ栽培のエネルギー利用に関しては、耕作放棄地の再生の意義をLCAの観点から計測し、論文「耕作放棄地におけるナタネ生産の可能性」を公表した。 ナタネ生産の国際比較を目的として、政策においてわが国と類似性のあるドイツを調査し、その成果は「ドイツにおけるバイオディーゼル生産の課題」として学会報告した。また、25年度も継続して情報交換を行うこととした。 以上、多くの公表成果をとりまとめることができた。とりわけ国内のナタネ生産に関する課題の解明は相当の進捗をみている。
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Strategy for Future Research Activity |
国内ナタネ生産の動向把握、助成政策の影響分析・現地調査を実施し、IFつき雑誌への論文投稿を行う。 低品質ナタネの選別・燃料化については、ナタネ燃料使用の発電機に及ぼす影響の試験を実施するとともに 現時点までの試験結果は学会報告を行い、査読付き論文投稿を目指す。 ナタネ生産制度の国際比較に関しては、本年度もナタネ栽培の先進地であるドイツを対象とした現地調査を実施し、政策上の隘路の解明を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ドイツ調査は25年度も継続して実施するが、24年末から大幅な円高が進んだことにより、旅費等経費の上昇が見込まれる。そこで、予備費として7万円を為替変動対策として繰り越すこととした。なお、今後の為替の状況によっては26年度研究費の一部前倒しを検討している。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] 制度変更とナタネ価格2012
Author(s)
小野洋,野中章久,古川茂樹
Organizer
関東東海北陸農業経営研究会
Place of Presentation
農林水産技術会議事務局筑波事務所(茨城県)
Year and Date
20120614-20120615
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