2012 Fiscal Year Research-status Report
下垂体の発生・分化と血管形成における新規下垂体転写因子PRXの機能解析
Project/Area Number |
24580435
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
加藤 たか子 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究員 (90445859)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / 内分泌学 / 生殖 / 細胞・組織 / 血管形成 / 分化 |
Research Abstract |
1. 新規下垂体転写因子の特異抗体を作製した。ウサギを用いた作製したそれぞれの抗体の特異性を、抗原としたペプチドの吸収実験を、ウエスタンブロット、および、ラット胎仔のwhole bodyを用いて行い、特異的な抗原反応である事を確認した。 2.その2種の特異抗体を用いて、ラット胎仔のwhole body染色を行い、両者が共通する局在や、それぞれに特異に局在すること組織が認められ、相当な局在の違いがあることが判明した。結果を取りまとめて、現在論文投稿を行い、第1回目の査読結果を受け、加筆訂正して2回目の査読を受けている。 3.PRX1・PRX2に加え、下垂体特異的で幹・前駆細胞のマーカであるPROP1、および、神経外胚葉系の幹・前駆細胞マーカーであるSOX2の抗体を用いて胎仔期の下垂体における発現の変動を調べた。その結果、PRX1とPRX2は、胎齢(E)15.5日頃に、下垂体内でSOX2とPROP1に遅れて発現すること。下垂体周辺にはPRX1とPRX2が別々に存在する間葉系の細胞が存在する事が判明した。 4.その後、下垂体の幹・前駆細胞(SOX2とPROP1を発現する細胞)に、PRX1が出現することが観察された。 5.一方、下垂体周辺に存在する間葉系細胞が下垂体に進入することが観察された。その際に、PRX2陽性細胞は侵入後に速やかにその存在を消失させ、PRX1陽性細胞(SOX2陰性)はその数を増し、他の内皮細胞のマーカーなどとの共染色を行うと、血管形成に係わる細胞との結果を得た。現在、これらの成果をとりまとめているところである。さらに、こうしたPRX1とPRX2陽性細胞の挙動を解析し、下垂体形成と血管形成との関係を詳細に調べることで、下垂体機能獲得の分子機構を明らかに出来ると期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1.PRX1・PRX2の免疫組織化学とその結果の定量的解析が順調に進んだ。 2.何度も挑戦したPRX1・PRX2の全身での局在解析ができた。 3.下垂体におけるPRX1とPRX2の特異な発現動態の一端が明らかとなった。 4.下垂体におけるPRX1とPRX2の、幹・前駆細胞と血管形成への関与について新知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.まだ成功していないが、下垂体幹細胞の樹立を進める。 2.PRX1・PRX2の標的遺伝子を特定する。 3. PROP1の標的遺伝子を特定する。 4.下垂体の血管形成機序の解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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