2013 Fiscal Year Research-status Report
スピロキラリティーを活用する環境調和型不斉触媒の開発
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24590009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
滝澤 忍 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50324851)
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Keywords | 触媒 / 不斉 / 合成 / スピロ |
Research Abstract |
キラルスピロ化合物の効率合成を基盤とする新規不斉触媒の開発とその応用を検討し、今年度は、含窒素六員環化合物であるテトラヒドロピリジンの簡便合成を主に検討した。テトラヒドロピリジンは、天然物や薬理活性化合物の部分骨格によく見られる構造であり、その合成研究が精力的に行われている。α-アルキルアレノエートとイミンとの形式的[4+2]環化付加反応は、中でも最も直接的な合成法の一つである。本反応においてケチミンを基質とすると、四置換炭素を有するテトラヒドロピリジンが得られるものの、その立体選択的反応例は無かった。そこで今回、環状ケチミンとα位にメチル基を有するアレン酸エステルとの形式的[4+2]環化付加反応を有機分子触媒を用いて行った。その結果、キラルホスフィンであるBINAP, QUINAP, DIOP, BPPFA, BPPFOHを用いた場合には、ほとんど反応は進行せず、進行しても位置選択性の混合物となった。キラルスピロ骨格を有する(R)-SITCP触媒を反応に用いたところ、生成物が88%, 90% eeで単一の位置異性体として得られた。本反応を様々な置換基を有するケチミンに適用した結果、いずれも目的化合物が高収率、最高93% eeで単一の位置異性体として得られることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、キラルスピロ型有機分子触媒を用いるテトラヒドロピリジンの簡便合成以外にも、キラルスピロ型パラジウム触媒を用いた場合にのみ進行する2-alkenoic acid誘導体の5-endo-trig-type cyclizationの反応機構をDFT計算により明らかにすることができた。また本反応の知見を活用することで、キラルスピロ型パラジウム触媒による3-alkynoic acid誘導体の5-exo-dig cyclizationを開発することに成功し、キラルな第4級炭素求を有するdihydofuran-2(3H)-one誘導体の新たな合成法を確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、1,2,3-トリアゾールの多機能化を中心に検討していく。1,2,3-トリアゾールは、アジドとアルキンの[3+2]環化付加反応により容易に得られる化合物であり、極めて多様な分野で研究・利用されているものの、本ヘテロ環自体の機能、特に不斉触媒への応用は限られている。そこで1,2,3-トリアゾール部位を有するヘテロヘリセンのエナンチオ選択的触媒反応への応用を目指して、キラル超原子価ヨウ素試薬を用いるトリアゾールの酸化的ビアリールカップリング反応を鍵とするスピロ型分子、およびヘリセン様分子の合成を検討する。予備実験の結果、既知物から三段階で得られるトリアゾールに、乳酸を不斉源とするキラル超原子価ヨウ素試薬を作用させると、カップリング体が中程度の化学収率、及び不斉収率で得られた。本カップリング体の脱メチル化、続く環化により、まずは、ビストリアゾールヘリセン様分子の効率合成を達成する。
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[Presentation] Recent Progress in Pd-SPRIX Catalyses2013
Author(s)
Takenaka, K.; Mohanta, S. C.; Dhage, Y. D.; Takizawa, S.; Sasai, H.
Organizer
The 8th International Conference on Cutting-Edge Organic Chemistry in Asia and The 4th New Phase International Conference on S Cutting-Edge Organic Chemistry in Asia
Place of Presentation
Osaka, Japan
Year and Date
20131125-20131128
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