2012 Fiscal Year Research-status Report
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24590078
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Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
竹松 弘 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80324680)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | 国際情報交換 |
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| Research Abstract |
免疫応答の重要なアウトプットとして、抗体の産生があげられる。抗体はB細胞が活性化、分化をへて出来上がる抗体産生細胞が分泌するが、この際の活性化、分化における重要な反応として胚中心反応が知られている。胚中心では、B細胞が抗原特異的に増殖し、イムノグロブリン遺伝子に変異をおこすことで、より親和性の成熟したB細胞が選別される。また、抗体の定常部分のクラススイッチ変異をおこすことで、抗体機能を変化させる。胚中心細胞では、その細胞表面における糖鎖の発現が大きく、しかもダイナミックに変化する事が知られている。しかしながら、その糖鎖変化のB細胞機能へ及ぼす影響はあまり明らかになっていない。
本研究では、この糖鎖変化を模倣した細胞を作成し、この細胞に対してB細胞抗原受容体刺激し、そのシグナル伝達の変化を検討することで、糖鎖変化の機能を明らかにすることを目的とする。
本研究では、B細胞のモデルとして、細胞表面にIgMクラスのB細胞抗原受容体を発現するNamalwa細胞を選び、そのB細胞抗原受容体刺激を行い、その下流因子のリン酸化の変化を調べたところ、Namalwa細胞はガン細胞でありながらも、B細胞抗原受容体シグナル伝達に関しては初代培養B細胞と同様の応答を示すことを明らかにした。
また、本研究で、細胞表面の糖鎖変化を模倣する細胞を糖転移酵素の発現変化で起こしてきた。
また、これらの糖鎖変化のうち、糖脂質CD77の発現を変化させたNamalwa細胞においてB細胞抗原受容体シグナル伝達を正に制御し、シグナルの増幅を行うとされるCD19分子について、このタンパク質の糖鎖付加の状態が変化することを示唆する結果を得ている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
B細胞受容体シグナル伝達における糖鎖変化の意義を明らかにする研究において、当初の課題であった、糖鎖改変細胞のうち、予定していた多くのものが樹立された。これらの細胞のうち、糖脂質CD77合成酵素を改変したものに関しては、期待した糖脂質発現プロファイルを持つことがTLC解析で確認された。当初の予想に反して、CD77合成酵素は、糖脂質発現について大きな影響力を持ち、グロボ系列の糖脂質を生合成する活性と、ガングリオ系列の糖脂質の発現を阻害する活性を併せ持つことが明らかとなった。このため、CD77合成は出来ない変異CD77合成酵素発現細胞は、糖脂質を減少させたコントロール細胞となることが考えられた。また、O-結合型糖鎖改変細胞に関しても、ST3GAL1発現細胞の樹立を行い、これが、予想された細胞表面糖鎖の発現を持つことがレクチン染色のプロファイルから明らかとなった。
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| Strategy for Future Research Activity |
胚中心活性化B細胞でその発現が誘導される糖脂質分子であるCD77の発現を変化させ、この細胞での影響を調べると、CD19に対する糖鎖付加が変化している事を示唆する結果を得た。これは、糖鎖変化が、さらなる糖鎖変化を誘導するという事象であり、糖鎖発現制御においてもこれまで知られていない制御機構を介していることが示唆された。そこで、今後はその作用機序を明らかにすることを目的とし、CD77発現改変細胞および、コントロール細胞からCD19を精製し、付加されている糖鎖の違いを明らかにしていきたい。
また、CD77以外の胚中心で起こる糖鎖変化に関しても、これを模倣することが出来る細胞が樹立されてきたため、これらに活性化刺激を行い、シグナル伝達の変化を評価していく。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大きな研究備品を購入する予定はなく、研究試薬を中心に消耗品の購入に大部分を充てたい。
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Research Products
(3 results)
