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2013 Fiscal Year Research-status Report

化合物によるカテコールーOーメチル転移酵素の生成物阻害解除機構の解明

Research Project

Project/Area Number 24590148
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

飯島 洋  日本大学, 薬学部, 教授 (30465281)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鈴木 守  大阪大学, たんぱく質研究所, 准教授 (40280507)
高宮 知子  日本大学, 薬学部, 助教 (50513917)
Keywordsカテコールアミン-O-メチル転位酵素 / COMT / S-アデノシルメチオニン / S-アデノシルホモシステイン / 生成物阻害 / 賦活化 / 腎障害
Research Abstract

COMTは自らの反応生成物であるS-アデノシルホモシステイン(SAH)によって強い阻害を受ける。酵素反応速度論による検討により、我々は化合物によるCOMTの賦活化は、COMTとSAH複合体の解離の促進によるものと推定した。
この仮説を証明するため、COMTとSAHの結合に対する化合物の影響を調べた。(1)平衡透析法:一枚の透析膜を隔てた二つのチェンバーからなるミクロ透析装置を利用した。SAH(4, 6, 8, 10, 12, 16, 20, 24 uM)を両側のチェンバーに加え、片側にはCOMT(21.6 uM)も加え、25°Cで6hrインキュベーションを行ったのち、両側から透析液を回収した。蛋白は変性させた後、それぞれのSAH濃度をHPLCで定量し、スキャチャードプロット解析から求めたCOMT-SAHの解離定数は0.77 uM (r2=0.98, n=0.60)であった。化合物120 uMが共存するとき、解離定数は1.14uM (r2=0.97, n=0.61)であり、結合力が30%ほど低下した。
(2) 等温熱量滴定法:COMT-SAH複合体の解離定数は、化合物なしでは1.0uM (n=0.63)であったが、存在下(120 uM)では1.67 uM (n=0.53)となった。実験条件:COMT35 uM溶液1.0mLを25°Cに保った測定セルに入れ、800 uMのSAH溶液を250秒ごとに4.9 uLずつ加えて滴定。
なお、nは酵素の理論量で最大結合量を除した値であり、酵素の実効濃度の規定度に相当するものである。ITC実験で用いたCOMTを非還元SDS-PAGEで分析したところ、多量体の形成、あるいはSS異性体(COMTにはCysが7つある)の混在が示唆された。H26年度は酵素の安定性を保持する条件を見いだし、再現性を含めて検討を行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

(i) COMTの化合物による賦活化はSAHによる強い生成物阻害によるものであるという仮説は、本研究計画の当初から想定していたものである。H24年度はグルタチオン-S-転位酵素(GST)融合型COMTでは賦活化が見られないという予定外の結果となった。そこで本年度はCOMTそのものを利用する平衡透析と等温滴定カロリメトリーを実施し結果を得た(再現実験は未実施)。実験系は液相となるため高純度のCOMTを大量に取得した上で実験を行うため大きなエフォートが必要であったが、nの値が低く、H26には酵素精製法なども見直した上で再現実験を行う。
(ii) COMT蛋白の安定性の確認実験、精製方法の見直しにも着手している。COMTはpH7.2では、-80°C保存と4°C保存では残存活性半減期に大きな差がある。4°Cでの半減期はほぼ一週間である。このことは特にサンプルの事前透析が必要なITCでは実験的に配慮しなくてはならない。
(iii) 化合物スクリーニングから見いだした二系統の化合物については、本年度は濃度依存性を含む構造活性相関を検討している。現在の化合物は活性が高くなく、120 uMという高濃度が必要であるので、Amax値やAC50値という定量的な活性評価ができないでいる。現在、SAHとSAMを混合した反応系を用いれば、化合物の活性の差異を感度良く判別できないかを検討している。
(iv) 結晶化実験も行ったが現時点はCOMT-SAH複合体の結晶の取得には成功していない。(ii)の精製法の改良をまず行い、再度挑戦する。

Strategy for Future Research Activity

第一目標: 化合物の結合定数への影響を証明する。そのためには、(i) 非還元SDS-PAGEにおいて均一な酵素の精製を目指す。もし、それが困難ならばオリゴマーないしSS異性体が少ない状態を安定に保つ条件を検討し、(ii) 平衡透析ならび等温滴定熱量分析を再度行い、結論を確定する。この部分について論文にまとめる。
第二目標; 現在,活性化メカニズム研究に用いている化合物は、活性はやや低いがその化学構造と純度を確認できた化合物である。活性が高いと思われる化合物は構造が複雑で立体不斉点が多い天然物類似化合物である。この化合物の構造を確認し、類似誘導体を入手し、構造活性相関を解明する。
第三目標; COMT-SAH複合体、COMT-化合物複合体の結晶取得の努力を継続する。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] 化合物によるカテコール-O-メチル転移酵素の賦活化

    • Author(s)
      飯島洋,増田衛二,山北絵梨,増田喬行,布施拓也,髙宮知子,寒川剛,鈴木守
    • Organizer
      日本薬学会第134年会
    • Place of Presentation
      熊本
  • [Remarks] 生体機能化学研究室HP

    • URL

      http://www.pha.nihon-u.ac.jp/biofunctionalorgchem.html/

URL: 

Published: 2015-05-28  

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