2014 Fiscal Year Annual Research Report
化合物によるカテコールーOーメチル転移酵素の生成物阻害解除機構の解明
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24590148
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
飯島 洋 日本大学, 薬学部, 教授 (30465281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 守 大阪大学, たんぱく質研究所, 准教授 (40280507)
高宮 知子 日本大学, 薬学部, 助教 (50513917)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カテコール-O-メチル転位酵素 / COMT / S-アデノシルメチオニン / S-アデノシルホモシステイン / 生成物阻害 / 賦活化 / 腎障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) triazole系化合物とoxabicyclononane系化合物の二種類のCOMT活性賦活化活性をもつ化合物を得ている。昨年はtriazole系化合物がSAH-COMT複合体の見かけの解離定数を増加させることを、酵素反応速度論、平衡透析、等温熱量滴定(ITC)により確認した。しかし酵素の実効規定比率(n)は0.6前後であった。原因としてタンパク質のSS異性体の影響を想定し、本年度は酵素の精製の高速化、純度検定、精製してから時間を空けないで結合実験を実施し再現実験を試みたが、nの値の向上は見られず、n=0.6を再現した。ITC実験では高濃度のタンパク溶液を250rpmで3時間近く攪拌する。測定後の検体を回収し、0.2umのフィルター濾過を行うと、20%以上のタンパク質が不溶化していることが判明した。実験条件による変性がnが小さくなる原因であると推定し、昨年の実験結果については認めることとした。 (2) COMTの純度を検定している過程で、大腸菌でGST融合タンパク質として発現したCOMTが菌体由来のSAMやSAHを結合していることも確認した。Affinityクロマト、イオン交換クロマト、途中には二回の透析なども経るが、7mol%のCOMTがSAHを持ち込んでいた。次回の検討では、一度、高濃度のSAMでSAHを置換し、その後、透析するなどの処置も試みる。 (3) Oxabicyclononane系化合物の誘導体が13化合物の構造活性相関を調べた。興味深いことに、一部の化合物は賦活化活性を示す一方、一部の化合物は阻害活性を示す。このことは、oxabicyclononane系化合物がCOMTと相互作用し、その活性制御に影響を与えることを裏付けるものである。構造活性相関としては、分子の大きさ(体積)が適当な場合に賦活化、それよりも少し大きくなると阻害であることが判明した。
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Research Products
(2 results)