2013 Fiscal Year Research-status Report
機能性食品から肝臓内中性脂肪低減を機序とする新規抗糖尿病作用成分の探索
Project/Area Number |
24590153
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
二宮 清文 近畿大学, 薬学総合研究所, 講師 (10434862)
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Keywords | Nigella sativa / Camellia sinensis / HepG2 / fatty liver / diabetes / flavonol glycoside / diterpenoid |
Research Abstract |
本課題における研究の目的は,糖尿病における糖代謝における肝臓(肝細胞)の機能性を変動(向上)させる物質を天然物から探索することにあり,特に脂肪肝形成時に肝における糖代謝が低下することから,肝細胞内の中性脂肪含量を低下させる物質を探索した.本研究の一連の成果として,エジプトにおいて食用にも薬用にも供される Nigella sativa 種子から得た dolabellane 型 diterpene に肝細胞中の中性脂肪低減活性を見いだした.さらに,得られた diterpenoids の構造と活性の相関を一部明らかにするとともに,本作用の発現については,核内受容体型転写因子のひとつ,PPAR-α の関与が低いことなどを明らかにした.また,マウスを用いた in vivo の試験においても, N. sativa 種子より得た抽出エキスが肝臓内の中性脂肪の低減に寄与することを見い出した.本研究で得られた成果については,既に報告 [Phytochemistry Lett., 6, 198―204 (2013).] している. さらに,チャ (Camellia sinensis) 花部より得た, flavonol 配糖体について,脂肪酸によって誘発される肝細胞内への脂肪蓄積抑制活性を見いだした.本成果についても,既に報告 [Food Chem., 140, 352―360 (2013).] している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
天然より,研究計画に記載の性質,即ち,肝細胞中の脂肪低減を示す物質を見い出して報告に至っていることから,概ね順調に進展しているものと判断出来る.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては,糖代謝の向上に寄与するかどうかの実証(実験)を含めて,新規の抗糖尿病薬の候補物質としての有効性を検討する予定である.さらに,現在,筋肉細胞を使用してインスリンシグナルに与える影響等についても検討をはじめている.
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