2012 Fiscal Year Research-status Report
APC蛋白質の形態形成と細胞分化に対する新規機能の解明
Project/Area Number |
24590234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
千田 隆夫 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10187875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 華岳 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20273146)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞動態 |
Research Abstract |
(1)APC1638Tマウスの腸上皮の細胞分化と細胞動態の解析を行った。 1)APC1638Tマウスの小腸の近位・中央・遠位のすべての部位において、陰窩~絨毛の長さが野生型マウスよりも有意に長かった。2)APC1638Tマウスの小腸の陰窩~絨毛の腸上皮細胞数は野生型よりも多かった。しかし、陰窩・絨毛100μmあたりの腸上皮細胞数に有意差はなかった。3)APC1638Tマウスの大腸の陰窩の長さと、陰窩を構成する腸上皮細胞数および100μmあたりの腸上皮細胞数は、野生型と同じであった。4)BrdUを腹腔内投与し、24時間後に腸上皮におけるBrdUを取り込んだ細胞の位置を調べると、APC1638TマウスにおいてBrdU陽性細胞が絨毛先端に向かってより長い距離を移動していた。5)これらの結果より、APC1638Tマウスの小腸上皮細胞の増殖能が高いことが示唆された。また、APC1638Tマウスでは、小腸の栄養吸収面積が広いにもかかわらず体重が軽いことより、栄養吸収能が劣っている可能性が示唆された。 (2)APC1638Tマウスの骨形成と骨吸収の動態解析が、以下のように進行中である。 1)マイクロCTと走査電顕によって海綿骨を観察している。2)骨密度既知のファントムを用いて、得られた画像から脛骨と腰椎の骨密度を計算している。3)胎生期および出生早期の骨化過程を調べるために、マウスの前身切片を作成し、骨染色と軟骨染色を施し、観察している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の平成24年度研究実施計画は、腸上皮の細胞動態解析と骨形成動態解析の2つの研究を進めることであったが、前者に関しては解析はほぼ完了し、興味深い結果が得られた。後者の解析に関しては、まだ結果はでていないが、実験自体は着実に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、以下の研究推進方策を計画している。 1)APC1638Tマウスの骨形成の解析を完了させる。 2)胎生期の脳、眼球の形態形成を観察する。 3)APC1638Tマウス由来の培養ニューロンの樹立を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(4 results)