2013 Fiscal Year Research-status Report
成長円錐の動態の制御機構解析-原子間力顕微鏡によるアプローチ-
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24590248
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
星 治 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (10303124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 延之 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (70221372)
長 雄一郎 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (90334432)
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Keywords | 成長円錐 / 原子間力顕微鏡 / 神経栄養因子 / 脳由来神経栄養因子 |
Research Abstract |
平成25年度は、神経栄養因子(nerve growth factor:NGF)または脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor:BDNF)に応答して成長円錐において蛋白合成が起きているかどうかについて検討をおこなった。 【材料と方法】 ラット胎児より脊髄後根神経節細胞を採取し、トリプシン、DNaseI処理後、poly-L-lysineコートのデッシュ上で、8-(4-chlorophenylthio)adenosine-3’,5’-cyclic monophosphate (CPT-cAMP)を含む培地で48時間培養した。その後、脳由来神経栄養因子または神経栄養因子を含む培地で30分間培養し、さらに一部の培地にはピューロマイシンも培地に30分間添加した。4%パラホルムアルデヒドで固定後、抗S6 ribosomal protein抗体、抗ribosomal P0/P1/P2抗体、抗ピューロマイシン抗体による免疫染色を行った。 【結果と考察】 ラット脊髄後根神経節細胞を培養する培地にcAMPを加えることで、軸策の伸長と成長円錐の形成の促進が認められた。成長円錐においては、抗S6 ribosomal protein抗体と抗ribosomal P0/P1/P2抗体により陽性に染まる部位が認められたことよりリボゾーム蛋白が共局在していることが示唆された。さらに、抗ピューロマイシン抗体による免疫染色の結果からピューロマイシンのついた不完全な蛋白も合成されていることが示され、NGF、BDNFに応答して蛋白の合成が増強されている可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養のラット脊髄後根神経節細胞に対して、cAMPの刺激を行うことで神経突起の伸長、成長円錐の形成が促進された。さらに、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)の刺激も加えることで、成長円錐における蛋白合成が増強されることが示唆された。以上よし、申請書に記載した目的の一つである成長円錐での蛋白質の動態の一端が明らかにされた。
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Strategy for Future Research Activity |
①cAMPにより培養のラット脊髄後根神経細胞の神経突起、成長円錐の形成を促進させた後、神経栄養因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)の刺激も加えることで成長円錐の蛋白合成が増強される部位の詳細を免疫染色法により可視化し、明らかにする。②①における蛋白合成の部位とアクチンフィラメントの局在との関係を解析する。さらに、原子間力顕微鏡にイメージングにより、成長円錐での蛋白合成部位やアクチンフィラメントの動態と細胞膜の表面の微細構造との相互関連を明らかする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
事務手続きの関係上、次年度の使用額として計上することとなったため。 事務手続き上のことであり、次年度の消耗品費として計上する。
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Research Products
(1 results)