2014 Fiscal Year Annual Research Report
酸感受性イオンチャネルを介した新規内分泌調節機構の解明
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24590281
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
植田 高史 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90244540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜川 眞也 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20326135)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 刺激分泌関連 / イオンチャネル型オーファン受容体 / 酸感受性イオンチャネル / ノックアウトマウス / レポーターマウス / 下垂体機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)マウス下垂体におけるASICの発現をRT-PCR、in situ hybridization、免疫染色、カルシウムイメージングにより総合的に再解析した。前2者の遺伝子解析では下垂体前葉にASIC1bとASIC4の、下垂体中葉にASIC4の発現が示唆され、一方免疫染色では、下垂体前葉に明確なASIC1の存在を確認できなかった。しかしながら、下垂体細胞を用いたカルシウムイメージングでは、酸に対するカルシウム応答が観察され、ASIC1aの存在が示唆された。矛盾点があるため精査中である。 2)ASIC4について、特異的なcRNAプローブを用いたin situ hybridizationを下垂体、脳、胎児の全身について施行した。下垂体中葉や副腎髄質細胞などの内分泌器官に強い陽性反応が観察されるとともに、脳においてもバゾプレッシンやオキシトシン産生細胞が存在する室傍核やバゾプレッシンやアンギオテンシンが作用する脳弓下器官(SFO)に発現が認められ、内分泌機能への関与が示唆された。さらに昨年度ES細胞からキメラマウスが得られたため、今年度はこれを交配繁殖させ、ASIC4-lacZレポーターヘテロマウスを得ることに成功した。このマウスにてASIC4の発現を検討したところ、in situ hybridization法で得られた結果とほぼ一致したところにβ-galactosidase活性が認められた。 3)下垂体機能に関わる酸感受性TRPVファミリーについても研究を継続した。下垂体後葉には浸透圧感受性を持つ後葉細胞が存在するが、このセンサーの本態は不明である。我々は浸透圧感受性を有するTRPV2やTRPV4について検索したところ、TRPV2が下垂体全体の約14%の細胞に発現することを見出した。今年度はこのTRPV2陽性後葉細胞の特徴づけに関する実験を実施した。この研究については、予定どおり研究を終えることができたので、現在論文投稿に向けてデータをまとめている。
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[Presentation] マウス鼻腔上皮におけるTRPV4チャネルの機能発現2015
Author(s)
植田高史、星川真理子、柴田泰宏、熊本奈都子、鵜川眞也
Organizer
第120回日本解剖学会総会・全国学術集会、第92回日本生理学会大会、合同学会
Place of Presentation
神戸国際会議場・ 展示場( 神戸ポートアイランド )( 兵庫県・ 神戸市)
Year and Date
2015-03-21 – 2015-03-23
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