2012 Fiscal Year Research-status Report
ENaC制御因子を分子標的としたフラボノイドによる食塩感受性高血圧抑制機構の解明
Project/Area Number |
24590283
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
新里 直美 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00237645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸中 良典 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00127036)
細木 誠之 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30433254)
中島 謙一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40398392)
宮崎 裕明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30360027)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フラボノイド / ENaC / Rac1 / プロスタシン |
Research Abstract |
国国内で4000万人以上にも上ると推定される高血圧患者のうち、日本ではその約4割が食塩感受性高血圧であり、脳心血管障害と慢性腎臓病の発症・進展に深く関与すると考えられている.食塩感受性高血圧症は主に腎臓のNa+排泄機能異常と密接に関係しており、我々は、これまでにDahl-salt sensitive rat (DS-rat:高食塩食摂取で高血圧を発症するモデル動物)を用いて、高食塩食を摂取したときのアルドステロンに対する応答が破綻しており、本来抑制されるべきときに腎臓での上皮型Na+チャネル(ENaC)を介したNa+再吸収が亢進して、容量性高血圧を発症することを見出した.本研究の目的は、食塩感受性高血圧発症の抑制に有効であることを見出したフラボノイドの一種であるケルセチンに注目し、その作用機序を解明することで食塩感受性高血圧の予防や治療に貢献することである.そこで、ケルセチンの標的分子は、ENaCの活性化に関与するプロスタシンとENaCの発現に関与するRac1であるという研究仮説を立て、研究を進めている.皮質集合管主細胞では、アルドステロンはNa+再吸収を亢進することが知られている.現在までに、我々は、まずケルセチンがアルドステロンにより亢進したENaCを介するNa+再吸収を短時間(1時間程度)で著しく抑制することを見出した.そのメカニズムとしてENaCの活性抑制ややエンドサイトーシスの亢進が考えられる.そこで、ENaCの活性化に関与するプロスタシンのプロテアーゼ活性に対するケルセチンの効果を検討したところ、阻害されている可能性が示唆されており、ケルセチンによるNKCC活性化との関連性にも注目してさらに詳細に検討している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、まず、ケルセチンが腎臓の皮質集合管主細胞でENaCを介するNa+再吸収を短時間で著しく抑制することを見出した.この効果は、ケルセチンがENaCの活性抑制あるいはエンドサイトーシスの亢進を強く示唆しており、ケルセチンの標的分子と想定しているENaC活性化因子のプロスタシンへの影響を検討し、これを阻害している可能性が示唆されている.平成24年度の研究計画では、ケルセチンの2つの標的分子の中で、プロスタシンへのケルセチンの影響を検討することを目的としており、プロスタシンを阻害している可能性があることを見出しており、概ね予定通りに研究は遂行されていると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ケルセチンのプロスタシンの活性制御・発現制御への影響をさらに詳細に検討すると共に、平成25年度の研究計画にあるように、ENaCの発現を制御していると考えている重要な因子であるRac1へのケルセチンの影響についても検討を開始する予定である.また、ケルセチンの重要な機能であるNKCC活性化にも注目し、Rac1のGTPase活性がクロライドイオン濃度による制御を受けるかどうかという点についても検討を加える予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本申請研究課題での研究手法に用いる研究機器は、当該研究室・本学中央研究室に設置されており使用可能であるために、研究費の大半は研究試薬・細胞培養用物品・実験動物などに費やし、研究費を効率よく使用する、円滑に研究を推進する予定である.
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Research Products
(2 results)