2013 Fiscal Year Research-status Report
エイズの細胞侵入蛋白を利用したガン細胞マスターシグナル分子の解明
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24590301
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
水上 洋一 山口大学, 大学研究推進機構, 教授 (80274158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高村 歩美 一般財団法人脳神経疾患研究所, その他部局等, 研究員 (90508368)
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Keywords | タンパク質導入 / 乳癌 / シグナル伝達 / 陰イオン交換カラム |
Research Abstract |
(細胞培養) モデル細胞として乳がん細胞株のMCF-7を用いる。MCF-7細胞をDMEM培地で大量培養し、合計20Lまで細胞を保存した。(培養細胞からの抽出)カラムの分離を蛋白の安定に与える影響を最小限にするためこれまでのカラム精製用蛋白質抽出のプロトコールに従って行う。0.1%のTriton-Xを含む緩衝液を加えた後、オルガネラに含まれる蛋白質もできるだけ多く回収するため、超音波破砕機で細胞を溶解する。その後、遠心分離を行い、上清の細胞可溶化液を回収した。(イオン交換カラムによる精製)蛋白質の分離が最も効果的に行えるようにpH、カラム流速、塩濃度を確立した条件設定で行う。つまりFPLC(Bio-CAD現有)に大量精製用の陰イオン交換カラムHi-Trap HQカラム(GEヘルスケア)を接続し、細胞可溶化蛋白を移動相で希釈した蛋白質溶液を移動相からカラムに注入した。できるだけ多くの蛋白質を吸着させるため、移動相はpH8.0に合わせ、すべての溶出液を2mlづつフラクションに分離した。(脱塩・濃縮)分離したフラクションを限外ろ過に通して溶液を交換し、脱塩した後、10倍濃縮した。濃縮サンプルを活性測定に用いた。(SDS-PAGEゲルでの分離)全てのフラクションをSDS-PAGEゲルで分離した後、CBB染色でタンパクを検出した。各フラクションで10以上のタンパクが分離され、十分に脱塩と濃縮は行われていることを確認した。(活性測定)濃縮したフラクションをHIVのTATタンパク質を用いてHCC38細胞にタンパク質導入を行った。導入し細胞で多くの細胞死が観察され、タンパク質導入の条件検討を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞の活性を測定する機器が不調で修理を依頼していたが、修理に数ヶ月の時間がかかり、実験が中断してしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
タンパク質導入時に細胞死が観察され、測定条件の検討が必要である。細胞導入時に50%confluentの条件で導入するため、細胞がすぐ、いっぱいになり増殖活性の測定が困難になっている。細胞の増殖を別の指標で検討する必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞の活性測定について機器の不調により測定が困難であったことから実験が中断したため次年度使用額が生じた。 機器の測定条件は確立しており、細胞の活性測定実験のための費用、(機器修理、試薬購入等)に充てる予定である。
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