2013 Fiscal Year Research-status Report
マウス大腸癌肝転移モデルにおけるヒスタミンの転移抑制効果とその応用
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24590322
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
倉増 敦朗 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90302091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 清 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30346564)
玉田 耕治 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00615841)
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Keywords | ヒスタミン / ヒスチジン脱炭酸酵素 / 大腸癌 / 肝転移 / ハイドロダイナミックインジェクション |
Research Abstract |
マウス大腸癌肝転移モデルにおけるヒスタミンの転移抑制効果について、それが肝臓局所のヒスタミンによるものかを調べた。 ヒスタミン合成酵素欠損マウスを用いて、CT-26細胞またはヒスタミン合成酵素発現CT-26細胞を、脾臓から肝臓に接種し肝転移を作成後、生存曲線を比較した。60日後の生存率はCT-26細胞接種群で33%であったのに対し、ヒスタミン合成酵素発現CT-26細胞接種群では80%であった。またログランク検定ではこれら二群間に有意な差(P値 0.016)が認められた。CT-26細胞とヒスタミン合成酵素発現CT-26細胞はin vitroでの増殖能に差はないことから、ヒスタミン合成酵素発現CT-26細胞が産生したヒスタミンが転移に対し抑制的に働いたと考えられる。つまり肝臓局所におけるヒスタミンが肝転移に抑制的に働くということが示唆される。 ヒスタミン合成酵素遺伝子発現プラスミドをハイドロダイナミックインジェクションで投与し、肝転移に対する抑制効果を調べた。ハイドロダイナミックインジェクションでは投与したプラスミドは一過性に肝臓で取り込まれることが知られている。ヒスタミン合成酵素遺伝子を含まない対照プラスミドを投与した群では生存期間中央値が38日であるのに対し、ヒスタミン合成酵素遺伝子発現プラスミドを投与した群では47.5日であった。有意差は認められなかったものの、ヒスタミン合成酵素を発現させた群の方が生存期間が長くなる傾向が認められた。ハイドロダイナミックインジェクション後、肝臓のヒスタミン含量は24時間で最大となり48時間後には消失していることから、ヒスタミンによる肝転移抑制効果は、転移後早期に重要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝臓局所でヒスタミンを増加させることにより、肝転移を抑制できることを実証できたので、おおむね順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
予防や治療への応用をめざし、肝臓特異的にヒスタミンを産生させる方法を検討する。また、ヒスタミンの肝転移抑制機序について解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
一部の実験用試薬が想定価格よりも安く購入できたため、次年度使用額33,678円が生じた。 次年度使用分は、実験用動物購入のために使用する。それ以外の使用計画に大きな変更はない。
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