2013 Fiscal Year Research-status Report
NKG2Dリガンドのがん抗体療法における役割解明とこれを用いた治療効果予測
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24590441
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松野 吉宏 北海道大学, 大学病院, 教授 (00199829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑中 豊 北海道大学, 大学病院, 特任講師 (30589924)
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Keywords | NKG2Dリガンド / 分子標的治療 / ADCC活性 |
Research Abstract |
本研究では,がん細胞おいて多様な発現を示すNK細胞活性化因子NKG2Dリガンド(NKG2DL)に着目し,抗体治療が標準治療となっているがん種においてNKG2DL発現と臨床病理学的因子との関係性を明らかにし,抗体治療薬を用いた治療において,治療効果予測が可能かについて前向き観察研究を行うとともに,この治療効果予測に関わるメカニズムを解明することを目的としており,本年度は以下の課題に取り組んだ. [1] ヒト乳癌組織を用いたNKG2DL発現と腫瘍ストレス関連分子との関連性の検討:本年度作製したTMA標本を用いて,p53やHIF-1α;のIHC解析を行い,NKG2DL発現との関係性について検討を行ったところ,HER2陰性luminalタイプ乳癌においてはULBP4発現と野生型p53,HIF-1α発現において有意な相関性が認められた.次にこのULBP4の発現制御メカニズムにおける腫瘍ストレス関連分子の関与について細胞株を用いて検討した.まずグルタチオン合成酵素阻害剤(BSO)処理による酸化ストレスにより,野生型p53を有するMCF-7細胞ではULBP4発現の顕著な発現誘導がみられた一方,変異型p53を有するT47D細胞ではULBP4の発現低下がみられた.次に HIF-1α誘導剤により処理を行ったところ,両細胞におけるULBP4の発現動態はBSO処理と同様となった.以上の結果からULBP4発現の誘導には野生型p53の機能が関係している可能性が示唆された. [2] びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の組織マイクロアレイ(TMA)標本作製:Rituximabを用いた抗体治療が標準治療となっているDLBCL組織のFFPE検体で,パラフィンブロックの状態が良く十分な腫瘍量を有するものを病理専門医が選定し,常法に従ったTMA作製に着手した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究目的の達成のため,2年目にあたる平成25年度は,乳癌治療標的分子であるHER2発現の有無とNKG2DL発現,腫瘍ストレス関連分子との関係を明らかにする目的で,まずHER2を発現しないHER2陰性luminalタイプ乳癌について検討を予定通り実施した.また当初1年目に予定していたDLBCLを対象とした検討に着手した. [1]においては,HER2陰性luminalタイプ乳癌組織および細胞株を用いた検討については概ね予定通り進めることができ,評価できるように思われた一方,HER2陽性タイプ乳癌における検討については予定より遅れることとなった. [2]においては,本年度の予定に組み込んでいなかったDLBCLのTMA標本作製に着手することができた点については,評価できるように思われる. 今年度の研究の進捗については,一部の検討で遅れが見られたことから,自己点検による評価の区分を(3)とした.
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Strategy for Future Research Activity |
3年目にあたる平成26年度は,乳癌およびDLBCLにおけるNKG2DL発現の制御メカニズムについて明らかにするため,以下の4点について検討する. ① ヒトHER2陽性タイプ乳癌を用いたNKG2DL発現と腫瘍ストレス関連分子との関連性の検討:昨年度作製したTMA標本や乳癌細胞株を用いて,HER2陽性タイプ乳癌におけるp53やHIF-1aとNKG2DL発現との関係性を検討する. ② Trastuzumab既治療乳癌症例における治療効果予測に関する検討:HER2陽性タイプ乳癌のうち,術前trastuzumab治療を行った症例の術前生検組織におけるNKG2DL発現解析を行い,治療効果との関連性を明らかにする. ③ Rituximab既治療DLBCL症例における治療効果予測に関する検討:DLBCLにおけるrituzumab治療を行った症例のTMA標本を用いてNKG2DL発現解析を行い,治療効果との関連性を明らかにする. ④ 治療効果と関係のあったNKG2DL分子のADCC活性への関与の証明:上記②と③の検討において,ADCC活性への関与が示唆されたNKG2DL分子について,in vitro ADCC活性について検討を実施し,治療効果とNKG2DL発現におけるADCC活性の関与の有無を明らかにする. 最終的にこれら結果をとりまとめ,成果発表を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記[1]のHER2陽性タイプ乳癌における検討の遅が発生し,これを次年度に行うこととしたため,次年度使用額が生じた. 次年度においても主に物品費に充てる予定であり,費目別には以下のように計画している. 【物品費】消耗品として免疫組織化学研究用試薬,細胞培養用試薬,ウエスタンブロッティング解析など生化学研究に使用する試薬を購入する予定である.一方,設備備品費は,研究代表者が所属する部門に主要な研究設備が整っており,新たな設備備品の購入は考えていない.【旅費】情報収集や成果発表のため国内外の学会へ参加予定である.【人件費・謝金】該当なし.【その他】本研究で得られた成果を,学会誌等へ投稿することを予定している. 研究推進にあたっては,計画に基づき実験を進めていき,研究費を有効活用したい.
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] A multicentre phase II study of vorinostat in patients with relapsed or refractory indolent B-cell non-Hodgkin lymphoma and mantle cell lymphoma.2014
Author(s)
Ogura M, Ando K, Suzuki T, Ishizawa K, Oh SY, Itoh K, Yamamoto K, Au WY, Tien HF, Matsuno Y, Terauchi T, Yamamoto K, Mori M, Tanaka Y, Shimamoto T, Tobinai K, Kim WS.
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Journal Title
Br J Haematol
Volume: 165
Pages: 768-776
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Tumor genetics and survival of thymic neuroendocrine neoplasms: A multi-institutional clinicopathologic study.2014
Author(s)
Strobel P, Zettl A, Shilo K, Chuang WY, Nicholson A, Matsuno Y, Gal A, Hubert Laeng R, Engel P, Capella C, Marino M, Chan JK, Rosenwald A, Travis W, Franks TJ, Ellenberger D, Schaefer IM, Marx A
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Journal Title
Genes Chromosomes Cancer
Volume: in press
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Differential expression of progesterone receptor, FOXA1, GATA3, and p53 between pre- and postmenopausal women with estrogen receptor-positive breast cancer.2014
Author(s)
Hosoda M, Yamamoto M, Nakano K, Hatanaka KC, Takakuwa E, Hatanaka Y, Matsuno Y, Yamashita H
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Journal Title
Breast Cancer Res Treat.
Volume: 144
Pages: 249-61
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Comparison of outcomes between autologous and allogeneic hematopoietic stem cell transplantation for peripheral T-cell lymphomas with central review of pathology.2013
Author(s)
Kim SW, Yoon SS, Suzuki R, Matsuno Y, Yi HG, Yoshida T, Imamura M, Wake A, Miura K, Hino M, Ishikawa T, Kim JS, Maeda Y, Lee JJ, Kang HJ, Lee HS, Lee JH, Izutsu K, Fukuda T, Kim CW, Yoshino T, Ohshima K, Nakamura S, Nagafuji K, Suzumiya J, Harada M, Kim CS
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Journal Title
Leukemia
Volume: 27
Pages: 1394-7
DOI
Peer Reviewed
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